第39章 陽だまりの先へ(終)※

私が珠世さんに頼んだことや彼女が此処にきた理由が全て明らかになると、どこか清々しい気持ちになっていた。

過去の私は此れをずっと宇髄さんに話したかったのだろう。本当は直接話したかったのかもしれないし、意図せずに伝わってしまったことは後悔しているかもしれない。

でも、宇髄さんの顔もまたスッキリとした様子だったのできっと過去の私が気に病むことはなかったのだと思う。


それどころか宇髄さんの言葉の中に溢れる自分への愛に自分の気持ちも溢れてきてしまった。

彼とひとつになりたい。
彼に愛されたい。

そう願う私は自然と彼に「一緒に寝たい」と言ってしまっていた。
しどろもどろになっている宇髄さんを見ても私は諦めなかった。だって宇髄さんは私を愛してくれているからこそ傷つけないように我慢してくれてるんだ。


もう怖くなんてない。
彼の愛の深さを知って、過去も今も未来も全て愛してくれていると分かって、怖いなんてことあるわけがない。


この人は記憶がない私も丸ごと愛してくれる人。
過去も今も未来も。
でも、きっと私もそう。
過去も今も未来もずっとこの人だけを愛し続けていると断言できる。


だって体も心も彼を求めている。
触れて欲しいって。愛してほしいって。


「…宇髄さん、大好き…」


言い終わるや否や、目の前には宇髄さんの顔。
唇には彼の温度がある。
久しぶりにされた口づけは熱くて甘くて蕩けそうだ。

その口づけに翻弄されていると、抱き上げられていた筈の体が柔らかな布団の上に降ろされたのを感じた。


ゆっくりと体が離されると見上げる先にいたのは真剣な表情をした宇髄さん。


「…今なら…、まだ止められるぜ。悪ぃけど、俺は容赦なく本気でお前抱いちまうかもしれねぇんだ。途中では止めてやれねぇと思う。」


最後の最後まで優しい彼に私は目尻を下げて首を振った。
もう止める必要なんてない。
私だってあなたを求めてる。


「…宇髄さんに、抱いてほしいです…」


「っ…ほの花…ッ！」


覆いかぶさってきた彼に噛み付くような口づけをされると息すらできないほどの苦しさの中に宇髄さんの熱っぽい瞳にドクンと胸が跳ねた。