第39章 陽だまりの先へ(終)※
私は宇髄さんの名誉のために言葉に気を付けながら昨日起こったことを端的に話した。
昨夜初めて濃厚な口づけをしたこと。
その時に宇髄さんに私が怖がったから抱くのを我慢すると言われたこと。
そして、今朝から宇髄さんとあまり目が合わないことを伝えた。
「あっははは!!なーんだ!そんなこと〜?!気にすることないって〜!天元様が待つって言ってるんだから待たせておけばいいじゃない。」
「で、でも…!目が合わないのは…悲しい、よ。」
「そこはほの花さんが我慢するしかないかもよ?だって天元様は大好きな大好きなほの花さんが隣にいても我慢しないといけないんだもん。見つめられたら我慢できなくなっちゃうじゃん。」
それを聞いて、宇髄さんの今朝からの行動の理由を潔く知ることになる。
気まずくなったから目線を逸らしていたわけではなく、目が合うと抱きたくなってしまうから自制していたということ?
「…怖がったから嫌になって嫌いになったわけじゃ、ないかな?」
「そんなわけないじゃん!!あのね、ほの花さんはもっと天元様の想いの深さを知るべきよ!あの人、尋常じゃないほどほの花さん馬鹿だよ?嫌いになるなんて天地がひっくり返ってもないよ。」
「で、でも、…目が合わないのはやっぱり嫌だ…。宇髄さんと目を合わせて話したい…。だ、抱かれたくない、わけじゃないもん…ただ、ちょっと怖気付いて…」
そう。私は抱かれたくないわけではない。
何なら宇髄さんとしかそういうことをしようとは考えられない。
私の中で男性といえば宇髄さん一択というほど既に気持ちは固まっている。
「そう言えば記憶がある時もこうやって初めて抱かれる日に私とお風呂入ってたんだよ〜?懐かしいなぁ〜。」
「え、そう、なの?怖がってた…?前の私も。」
「うーん…怖がってるというより恥ずかしがってたかなぁ。でも、好きな人に心も体も捧げたいって思わない?って言ったら納得してたよ。」
好きな人に心も体も捧げたい?
宇髄さんに…?
記憶があってもなくてもありのままの私を愛してくれてる宇髄さん。
また新たに"私"と始めてくれようとしている宇髄さん。