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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第39章 陽だまりの先へ(終)※





「…三十八度か。悪かった、無理させちまったな。」


「そんなことないです!行けて嬉しかったです。また…行きたいです。」


「そうだな、また甘味いけなかったからよ。今度こそ連れて行ってやる。今日はゆっくり休め。」


宇髄さんはそう言うと私の額に口づけを落として、部屋を出て行った。
無理の効かない体なのは仕方ない。
そうなってしまったのは自分の責任だ。

でも、体よりももやもやとした感情を消化できずにいた。


"せっかく宇髄様を諦めたのに…."


詩乃さんはそう言っていた。
それは宇髄さんがあんな綺麗な女性よりも私を選んでくれたと言うこと。
それは物凄く嬉しくて幸せなことなのに、頭に思い浮かぶのは嬉しさと同じくらいの負の感情。

何が不満なのだろう?
私はそれが何なのか分からないまま悶々として、ウダウダと布団の上を行ったり来たりしていると、襖越しに「ほの花さーん!」と言う元気な声が聴こえてきた。


「あ、はい!どうぞ!」


入室を許可するために声を上げれば、すぐに開かれた襖から顔を出したのは須磨さんだ。


「ほの花さーん!お熱出ちゃったんですよね?天元様に言われて清拭にきましたよぉ。次はお風呂一緒に入りましょうね!」


そうだった。
今日は須磨さんと一緒にお風呂に入る日だった。
疲労でフラフラしている日もあるので、お風呂の中で倒れないようにこうして須磨さん達が交代で一緒にお風呂に入ってくれるのだ。

もちろん進んで一緒に入りたいと言ってくれているのでありがたい限りだが、こうやって熱が出れば清拭にせざるを得ないのが申し訳ない。



「お手数をかけてごめんなさい。自分でできますよ?」


「こらこら〜!駄目ですよぉ!無理したら天元様に怒られちゃいますよ。此処は私に任せてください。ね?」


「あ、…はい。じゃあ…お願いします。」


「??ほの花さん、どうかしたんですかぁ?」


"どうかした?"
いつも通りの会話のつもりだったのな須磨さんは私に向かってそんな風に言うものだからキョトンと首を傾げた。


するとツンと私の額を指で突っつくとにこりと笑った須磨さんは「此処に皺が寄ってますよぉ〜」と悪戯っ子のような笑みを向けた。

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