第8章 愛し君と…(※)
宇髄さんがどこに触れているのか薄っすらとしか分からないけど、そこに触れられただけで体中に電気が走ったようだ。
一度触れられると、今度は何度も擦られてしまい何も考えられなくなっていく。
この感覚はさっき感じたものと似ている。
宙を彷徨うような高揚感は感じたことがないもので宇髄さんの肩に抱きつくことで何とか耐えているが怖いのと同時にもっと欲しいと思っているような…自分のことなのに自分の考えていることが全く分からない。
全ては宇髄さんの手の中に収まっているようで、それはとても嬉しいのに未知への恐怖も付き纏う。
何度も何度も擦られる刺激に再び腰が仰反り出す。
どんどんと感覚が研ぎ澄まされていくと同時にパンッと弾け飛ぶように意識が混濁するのだ。
まるで夢なのか現実なのか分からなくなるようなそんな感覚。
「う、ず、ぃさ…!ゃ、やだっ、へん…、ッ、と、とめ…!!」
「ほの花怖くねぇから。そのまま受け入れろ。」
受け入れろと言われてもこの迫り来るこの感覚は二度目であろうと慣れることはない。無我夢中で彼に抱きついて耐えていると次第に頭が真っ白になって体が震えた。
「ひっ、や、ぁ、ああああああっ!!!」
何も考えられないその感覚に襲われると次に来るのは酷い脱力感だ。
先ほど経験済みでこの脱力感ときたら高熱を出した次の日のよう。いや、もっと酷いかもしれない。
それにしてもさっきから私はとんでもない声をあげていることにやっと気付いてボーッとした意識の中、恥ずかしさで口を手で覆った。
必然的に宇髄さんから手を離すことになり、自由になった体を不思議に思ったのか少しだけ体を離した宇髄さんが私を見下ろした。
「…大丈夫か。」
「…お、大きなこえ、だしてすみませ…。」
「何だよ、そんなことか。」
羞恥に耐えている私を少しも気にする素振りも見せない彼は顔を私の耳元に近付けると…
「もっと聴かせろよ。ほの花。」
もっと甘い痺れを感じさせてくるのだ。