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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第38章 何度生まれ変わっても





「あの…此れはひょっとしたら…なんですけど…ほの花は一人で戦っていたのかも、しれません。」


「え?」


「じ、実は…あまり大きな声では言えないんですが、禰󠄀豆子の血を調べてくれている人とほの花が共通の知り合いだったんです。」


それを聞いて真っ先に思い浮かんだのはほの花が昔「俺に言いたいけど言えないことがある」と言って泣いたこと。
食い入るようにその話を聞くと、竈門が少しだけ目を彷徨わせた。


「陰陽師のことはその時にほの花から聞いて少しだけ知っていたのですが、今治癒能力の件と血のことを聞いて…ひょっとしてって思ったんです。」


「…ひょっとして?どういうことだ。はっきり言え。」


「は、はい!あの…ほの花もその人に自分の血のことを調べてもらっていたんじゃないかって…思ったんです。その人もまた鬼舞辻無惨を倒すために秘密裏に動いてる人なんです。」



おいおい、ほの花。お前は一体いくつ俺に隠してた?
いや、もうそんなことはどうでもいい。
それに関しては言えないと自ら言っていたからもう良い。共通の知り合いがいるとは言っても竈門すらその内容は知り得ないようだし、ほの花に直接問うしかなさそうだ。
だけど、どんどんと出てくるほの花の秘密に俺は乾いた笑いが込み上げた。


「…ほの花の親はほの花の血を使って鬼舞辻無惨を倒すための薬の開発をしていたらしい。それが本当ならばもしかしたら…ほの花はそいつらに託したのかもしれねぇな。」



薬の開発をするためには莫大な時間がかかる。
ほの花が秘密裏に動くためには無理がある。
鬼殺隊としての任務もあり、お館様の薬の調合、蝶屋敷の薬も作っている。

激務をこなす傍らで対鬼舞辻無惨用の薬の開発など無理だ。


その時ほの花は"母の古い知り合い"に会って、自分の出生の秘密を知ったと言っていた。
ほの花の母親は薬師だ。
その腕はお館様も認めるほどの腕前。

その知り合いとなれば医療者なのかもしれない。
だとすればほの花がそいつに血を渡して薬の開発を頼んだのも肯けるし、鬼舞辻無惨に自爆しに行かなかった理由もわかるからだ。

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