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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第38章 何度生まれ変わっても





しかし、お館様の"守ってやれ"は思ったよりも深刻な話だった。



「恐らく鬼舞辻の耳にも神楽家の長女であるほの花が生きていたと言う事実が入っている頃だろう。」


「…なるほど。それは…確かにそうですね。」


「幸いなことにほの花だと決定的に分かるのは髪の色を含めた容姿くらいのもの。なるべく外に出る時は変装をした方がいいかもしれないね。」


ほの花は母親に似ていて異国の顔立ちと髪色を持っている。その辺の町では見かけない風貌なのだから目立つのは当然だ。
俺が「承知しました」とお館様に伝えると少しだけホッとしたような表情になった。
いま此処でほの花を殺されることになるわけにはいかない。
それは俺だって同じ気持ちだ。



「遠い昔、神楽家の女児を喰らった上弦の鬼の首は一瞬で吹き飛んだらしい。もちろん女児も亡くなってしまったけどね…。」



お館様の話によれば神楽家は血を存続させるために他の陰陽師家から養子をもらったりもしていたようでその時に比べたら女児の血の能力は落ちているかもしれないらしい。
それでも鬼舞辻からしたら脅威に他ならない。
…と言うことはお館様の言う通り、血眼になってほの花を殺しにくるかもしれない。
もしそうなったとしても…必ずほの花を守ってやる。それだけだ。


俺はお館様の話がひと段落した頃、気になっていたことを聞いてみることにした。


「お館様にお聞きしたいことがあります。ほの花の治癒能力は寿命を削っているのかご存知ないでしょうか?」


「ああ、そうだね。僕もそこが知りたいところなんだが、神楽家の女児は皆、短命でその誰しもが鬼に殺されるか治癒能力の使いすぎで命を落としているらしい。ただほの花のように使ったことで体に溜まったものが発熱として出るのはとても珍しい。」


「…と言うと…?」



藁にもすがる想いだった。
今のほの花の状態が改善する手がかりがないか。
そして使った分で寿命を削っている事実があるのかどうしても気になったのだ。




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