第8章 愛し君と…(※)
こりゃ、今日は無理かもしれねぇな。
まぁ初めてじゃ、怖いだろうし無理強いをするつもりもなかったのでそれならそれでほの花の気持ちを優先するつもりだった。
もちろんほの花を抱きたいという気持ちは大いにある。隣にいれば反応しちまうんじゃないかと思うほどにある。
だが、生娘相手にそんなことはできやしない。
何もしていないのに緊張して泣いちまうようなほの花に誰が抱きたいだなんて言えるだろうか。
腕の中にいる彼女はやっと緊張が解けてきたようで俺の胸に顔を埋めていて、それがぽけーっとした表情で可愛い。
いいじゃねぇか。
ほの花の気持ち優先で。
きっといつかはほの花だって覚悟ができるだろうし、子を授かるためにはしないといけない行為だ。
それまで待てと言われるなら、かなり自分を律しないといけないが何とかする。
それほどまでにほの花でなければ意味がないし、ほの花が望むならばそれで良かった。
「宇髄さん…。笑わずに聞いてくれますか?」
「…んー?どうした。」
「わ、わたし…宇髄さんに初めてを、今日、も、もらってもらえるのかな…って思って…ちょ、ちょっとドキドキしてたんです…。」
ほの花の緊張感が再び声に混じり始めていたのでやめさせようかとも思ったが一生懸命話してる彼女を止めるのを憚られてそのまま抱きしめたまま聞いてやる。
「でも…す、する前からこんな緊張してたら…う、宇髄さん、めんど、くさい、ですよね…っ、ひっく。ご、ごめ、なさ…。宇髄さん、が、好きすぎて…ど、どうしたらいい、か、わ、わかん、ない…んです…。」
これは…もういいか。いいよな?
理性は切れたぞ。
ほの花の言葉は簡単に俺の決意を揺るがせると同時に煽ってきやがった。
抱きしめていた腕をゆっくり外すと、彼女を怖がらせないよう極力優しく口付けた。
それははじまりの合図。