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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第37章 貴方は陽だまり






宇髄が頚を狙えないのであれば、今此処で頚を斬らねばならないのは炭治郎だ。


『譜面』が完成した宇髄が妓夫太郎の攻撃を全て弾き返している中、炭治郎も攻撃の機会を伺う。

まさか攻撃の何もかもが読まれるなんてことを想像さえしていなかった妓夫太郎。
宇髄の様子に唇を震わせた。


(円斬旋回を全て弾いただと…?コイツ片腕しか無ぇんだぞ?!ありえねぇだろうがああ!!)


それでも宇髄の目を血の刃が直撃すると視界が半分になってしまう。
炭治郎が「宇髄さん!」と心配の声をかけるが、宇髄は猛攻を片腕一本で何とか凌ぐつもりでいるのだ。


それこそが『譜面』が完成した威力だ。


「止まるなぁ!跳べぇエエ!!」


宇髄は妓夫太郎の攻撃を捌くのに徹してくれている。自分がやるしかないのだ、と悟った炭治郎は地面を蹴った。


(おせぇんだよ!お前は鈍間!どれだけお膳立てされても駄目な奴は駄目だ。)



跳んできた炭治郎に向けて鎌を顎下から突いてやったことで勝利を確信した妓夫太郎。


(お終いだなぁ、毒で死ぬぜ‼︎)


宇髄の猛攻を受けながらも炭治郎にまで攻撃をするのは流石上弦の鬼といえるが、炭治郎の目は血鎌で顎を貫かれても尚、死んでいなかった。



斬る‼︎
頚を斬る‼︎
絶対に諦めない‼︎


強い意志が瞳にこもる。
炭治郎は刀を再び握り締めた。



何が炭治郎達を苦しめたかというと妓夫太郎が妹をも操りながらも戦えたこと。
己と妹から得る多大な情報を処理し、的確な判断を下せる。

誰に習ったわけでもなくそれが熟せた。妓夫太郎の優れた感覚。上弦たる所以だ。

更に毒。炭治郎達は何度も劣勢を強いられたが、その度に誰かがギリギリまで踏ん張って間を繋ぎ、機会を作って凌いだ。


圧倒的実力差があろうと繰り返されるうちに慣れて順応してくる。
一度失敗しても二度目があるのならば対応できるようになる。


そうすることで人は戦う中で強くなり、成長する。
それこそが人間の強み。
己の限界を極め続けていくことで強くなり、順応していく。


そうして鬼狩りは強くなっていく。
鬼が人間を喰らって強くなるように。

人間だって成長していくのだ。

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