第8章 愛し君と…(※)
「おーい!大丈夫か?二人とも。」
あまりのまきをさんの大絶叫に外から宇髄さんの声が聞こえてきたので私の顔は真っ赤に染まる。声が聞こえただけでこのザマは何だ…。
「あ、大丈夫でーす!すみません。ほの花さんがあんまり可愛いから絶叫しちゃいました。」
「はぁ?驚かすなよ。のぼせねぇうちに出ろよ。ったく。人騒がせな奴らだな…。」
「すみませーん!」
ぶつくさ言いながら宇髄さんの足音が聴こえなくなると私は漸くホッと一息ついた。
宇髄さんは…私とそういうことシたいと思っているのだろうか。
「いや〜…あんなに毎日毎日くっついてるからてっきりもうシてるんだと…。天元様我慢してたんですね…。」
「あ、あの…!恋仲になると…スるのが普通ですか?」
「そりゃそうじゃないですか?だって身も心も好いてる人に捧げたいと思いません?」
「……は、初めてだから…よく分からなくて…。」
「初めて…?え、えええええええええええ?!嘘でしょぉぉぉっ?!」
まきをさんの二回目の大絶叫は流石に誰も様子を見に来なかったけど、私は思わず耳を塞いだ。
あれ、初めてということに驚いているのだろうか。まさか知らなかったのかな。
「え、知らなかったですか?」
「そう言えば隆元さんがほの花さんが免疫ないって言ってたのって…。」
「何だぁ、知ってたじゃないですかー。」
「いや、"顔の割に男の人とそういうことしたことない"ということだと思ってたんです!!!」
どういうことなのだ。
免疫ないと言うのはどこからどう見ても男の人とそう言うことをしたことがないということだろう。
まきをさんのトンチンカンな発想ににキョトンとしてしまうが、気を取り直す。
「…どういう風に思われようと私、全然男の人とそういうことしたことないので…。」
「それなら天元様がちょっと怯んで手を出さないのも分かる気がします。」
今まで男性とそう言う関係にすらなったことがなかった私は宇髄さんがどう思ってるかも分からない。
まきをさんからこの話をされなければずっと気付かなかったかもしれないと思うと
宇髄さんにだいぶ申し訳ないと思った。