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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第37章 貴方は陽だまり






──陰陽道 召喚 四神‼︎



聴き覚えのある声が澄み渡るように響いたかと思うと其処に現れたのは四体の幻獣達。

一体は見覚えがある。
宇髄を迎えに行った白い虎だ。



そんな物を操れる人物は一人しかいない。



「…今すぐ雛鶴さんから手を離しなさい。そうしなければあなたに私の血を浴びせてあげる。」



屋根の上に突然現れたその人物こそ、陰陽師家最後の生き残り。
神楽ほの花だった。





「あん…?何だ、まだいたのか…ちまちましたのが……ん?お前…」


「雛鶴さんを離して。此処で喉を掻っ切ってあなたに浴びせるわよ。」



ほの花の発言に驚いているのは妓夫太郎だけではない、下では宇髄と炭治郎もほの花の言ってる意味が全くわからない。


「…誰かと思えば…、その動物といい…お前…昔、山奥でぇ…隠れて暮らしてた一族の長の妻に顔がそっくりだなぁあ?ああ、そうかぁ、お前が妹の見つけたっていう生き残りかぁ…」


陰陽師の末裔と言うことくらいしか覚えてない宇髄とそれしか知らない炭治郎。


此処にいる誰もがほの花と妓夫太郎の関係に未だに首を傾げるしかできない。



「その動物なぁあ…、アイツらが使って来たなぁ…一匹残らず始末したのによぉ…そうか、実体はねぇんだなぁあ…。」


「無駄口はいいから早く雛鶴さんを離して。」


「へぇええ、健気だなぁあ?自分の里の奴らをよぉ、家族をよぉ…皆殺しにした仇が目の前にいるのによぉ?そこまでこの女が大事かぁあ?」


その瞬間、宇髄にも炭治郎にもはっきりと知った。
この上弦の陸がほの花の里を潰した張本人だと言うこと。
強い怒りが拳に伝わり握りしめるのは宇髄だ。


(…なん、だと…?!)


しかし、ほの花の心臓の音は穏やかで落ち着いている。まるで悟りを開いているかのように。


「大事だから離して。死んでしまった人より今生きてる人を助ける。それが人間ってものよ。離しなさい。大事な師匠の大切な人なの。」



ほの花は自らの首に日輪刀を突きつけながら真っ直ぐ妓夫太郎に向けて歩みを進める。その目に迷いはない。
少しでも動けば自らの血をかけて消滅させることを視野に入れた決死の作戦だった。

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