第7章 君は陽だまり
彼に見られるのが嫌なわけではない。ただそういう行為を連想させられて変な気分になるのが少し怖いだけ。
「…は、恥ずかしいんです…!嫌とかじゃなくて…!」
「わかったわかった。じゃあ明るいところで後から見るわ。」
そう言う問題ではないのだが、納得したように前を向いてくれたので少しホッとして彼の胸に頭を預けた。しかし、思い出したかのように宇髄さんがまたこちらを向き、話し出す。
「なぁ?そういや、長くなる話ってなんだよ。捻挫した理由。長くなるって言ってたろ?」
そうだった。それは話せてないし、移動中にさくっと話しておいた方がいいだろう。
「あのですね…、甘露寺蜜璃ちゃんとお友達になったんです。」
「あー、甘露寺な。良かったじゃねぇか。お前と甘露寺は結構似たタイプだから気が合うだろ?」
「え?!なんで分かるんですか?そうなんです!蜜璃ちゃん、とても話しやすいです!」
「(どっちも単細胞だから)…よかったな。」
宇髄さんったらやっぱり私のことを良く見ていてくれてるようで、それだけで胸が熱くなる。
「隊服を家まで届けてもらったんですけど、あまりに丈が短かったのでしのぶさんに相談に行こうとしたら蜜璃ちゃんに出会ったんです。そしたら蜜璃ちゃんも短かったので…。」
「あー…まぁな。」
「だから私も創意工夫すればこれを着れるなぁと思ったわけです。」
「まぁ、脚も出てるわ、乳も隠れてないけどな。」
「…で、でも!これでもかなり隠れた方なんです!」
あの時の私の努力の賜物を"大して隠れてない"と宇髄さんの目が言ってくるので口を尖らせる。
最初のあの生地の少なさからすればもの凄く露出度控えめになった方だったので私の顔はそれはそれは不満顔だったことだろう。
せめて努力は認めて欲しいというものだ。