第7章 君は陽だまり
──トン
まるで羽が生えて飛んでるみたいに軽々と屋根と屋根を移動していく宇髄さん。
私と言う重りを持っていると言うのにこの軽やかさは流石だ。
しかし、私はさっきからお仕置きのことで頭がいっぱい。
一体どんなキツいお仕置きを受けるのだろうか。
こう言う時は先手必勝ではないかと私は思う。
宇髄さんが考えているよりもいいお仕置きを考えられたらその方が私にとっては幸運と言える。
「あの、…例えばなんですが…按摩しましょうか?」
「あ?なんの話だ。」
「え?お仕置きの内容ですよ!考えてるんじゃなかったんですか?」
まさか何も考えてなかったとでも言うのではないだろうか。私がこんなにあーでもないこーでもないと考えていたと言うのに…。
まぁ、確かに彼はいま私を抱えて走っているのだからそんなことに裂く思考回路はないのかもしれないが。
これでは一人で勝手にお仕置きにビクビクしてるみたいで恥ずかしい。
「あー、悪ぃ悪ぃ。それよりもスカートのとこがぴろぴろ捲れるのが厭らしくて見てた。」
悪びれもせずに笑う彼の視線は確かに私の太ももに注がれていて、抱き上げられているからかかなり捲り上がってしまっていた。
「なっ?!なに見てるんですか!変態ですか!?」
そんなところを見られているとは思わなかったので、思い切り彼の顔を手で押して、視線を遠ざけた。
「痛ぇっ!何すんだよ、お前!俺なら良いだろうが!他の男にああも惜しげもなく見せていたくせに何で俺が見たら変態なんだよ。」
「ほ、他の人はこんなところまで見てないじゃないですかぁ!」
「だからここまで見れんのは俺の特権だろうが!」
宇髄さんの言うことも分かる。
確かにここまで見ても良いのは宇髄さんだけだと言うのは分かっているが、私はまだ生娘なわけで…、そう言う行為をしたことないので余裕綽々な彼と違って、ちょっとしたこう言う会話でも動揺してしまうのだ。
少しはその辺をわかって欲しいものだが、無遠慮に抱きしめるわ、口付けるわ、やりたい放題の宇髄さんにいつも私の心臓は破裂寸前なのだ。