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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第35章 約束





しかし、朝餉を運ぶほの花の顔色がいまいち優れない気がした。
顔は笑っているけど、その顔色は真っ青。
ただでさえ色白なのに輪をかけて白くて思わず顔に触れた。


「…え?な、何か?」


突然顔に触れたことで不思議そうに首を傾げるほの花だが、其処は通常と変わらない温かさ。
以前体調を崩して発熱した時のような異常な体温ではない。

ただ顔色は悪い。


「…どうした?体調悪いのか?顔真っ青だぞ。」



そう問えば、思い出したかのように「ああ!」と声を上げて、苦笑いを浮かべた。


「…あ、朝方、久しぶりに月のモノが来てしまって…。量が多くて貧血気味なんです…」


それを聞いた時の俺の絶望たるや…
昨日、あれほど膣内射精をぶちかましたと言うのに翌日すぐに月のモノが来るなんて不運あるか?


昨夜の射精などもう何の意味もないことは明白だ。


それでもそんなことをコイツに言っても困らせるだけだ。
よりにもよって師匠に孕ませられようとしていたことなんて忘れたいことだろうに。


月のモノが来て本人的には幸運だと思っていることだろう。


「…大丈夫か。腹は?痛くないのか?」


「あ、先ほど…痛み止めを飲みまして今は痛みません。」


月のモノの腹痛など俺には理解できないが、ほの花の顔色が悪いのは事実。


「ん…、これは俺が持ってやる」


彼女が持っていたお盆を取り上げると高い位置にそれを掲げる。


「え、いや!師匠大丈夫ですよ!」


「そんな真っ青な顔をして説得力ねぇんだよ。こう言う時は甘えておけばいいだろ。」


「で、でも…」


「師匠命令。」



昨日から乱用しているこの言葉。
使ってしまえばほの花を思い通りにやり込めることができる。

手に入らない心の代わりにせめて言うことを聞かせたかった。
師匠としての面目を保ちたかった。


あんなひどいことをしておきながら、そばにいてくれているコイツに感謝こそすれど、自分のモノにならないことを咎めるべきではない。

他の奴らにバレたら後ろ指を差されるどころか背後から刺される案件だった。


隣で小さくなってペコペコと頭を下げるほの花を見ながらお目当ての縁側に向かった。
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