第34章 世界で一番大切な"師匠"※
最後まで言わなくともほの花は答えを持ち合わせている。
いや、最初から俺とどうこうなるつもりはないのだ。
悔しい。全身全霊でコイツを抱いても心が手に入らないことが。
奥歯を噛み締めると乱雑にほの花を抱き起こし自分の上に座らせた。
「あ、ふんっ、ぐ、…ッッ!」
深く奥まで入り込む肉棒のせいでほの花は痛みに顔を歪ませるが、構わず下から突き上げてやった。
突き上げるたびに豊かな乳房が宙を舞い、美味そうに俺を唆す。
それならば…と目の前にある乳首にむしゃぶりついてやれば背中を仰反るせて快感に耐えるほの花が厭らしい。
「は…っ、嫌なくせに、よぉ…?命令なら他の男ともヤんのか…?あ?」
「…っ、はぁっ!や、っ!ああっ!」
「ッッ、ど、う、なんだよ…ほの花ちゃんよぉ?」
何もかもが喧嘩腰の俺の言葉にも必死に答えようとする健気な彼女は涙目になりながら首を振る。
「っ、そ、んな、ことないです…!」
「…わかん、ねぇだろ?するかもしれねぇぞ?今、とんでもねぇ卑劣で鬼畜な男に抱かれてるんだ…。」
「し、ない、です…!ししょのこと…、悪く、言わないでください…!」
何目線の発言なのか。
俺は自分のことを俯瞰して見れている。この行為は卑劣で鬼畜なことだと分かっているのだ。
それなのにそんな俺を悪く言うなとはどう言うことなのだ。ほの花の考えてることは分からない。
激しく突き上げることで腰が浮いてしまわないように体を引き寄せて抱きしめる。
そんな風に庇われるような発言をされると勘違いしてしまう。自分を受け入れてくれるのではないかって。
「…もう一度だけ言う。…俺の女になれよ。」
「…ししょう…っ!あ、っ、…!師匠をっ…尊敬、して、います……!」
「……っ、そう、かよ。」
尊敬している。
それは師匠としての俺を認めてくれていると言う発言。
でも、そこには男と女の"愛"はないことも指している。
どれだけ尊敬されていようと、この願いは叶うことはない。
俺とほの花は死ぬまで
師匠と継子なのか。
だったらせめて
「…命令だ…ほの花。」
もう一つだけ願いを叶えてくれよ。