第34章 世界で一番大切な"師匠"※
「やぁ、あ、んっ!ふ、ぁっ!あぁ!」
一度射精をしたくせに滾る肉棒はもっと寄越せと唸っている。
ほの花の蜜路に何度も何度も挿抜させれば満足そうにニヤけている気さえする。
それにしてもキツい。
狭く苦しい蜜路は正直、二度目なのに余裕はそこまでない。
女とのまぐわいなど何度もしてきたのに、此処までキツくて持っていかれそうなほど余裕がないことなんてない。
苦しいのにその先にあるのが幸せである気がする。
そんなことは勘違いなのに、何故そう思ってしまうのか?
分からないが、ほの花とのこの行為を正当化させるために己がそう感じたいだけだろう。
「は、っ、気持ち良さそう、じゃ、ねぇか…!」
「ぁっ、ひゃ、ぁああっ!!」
「此処が、っ、気持ちいいのか…?」
一際甲高い声を上げた箇所を執拗にゴリッと打ち付ければ身震いしながら悶えるほの花の顔に唆られる。
ゾクゾクと感じるこの感覚は心の底からほの花の情交が最高だと感じているから。
ここまで気持ちいい情交をしたことなどない。
やり方はまずかったと思う。
やっちまったもんは仕方ない。
だが、コイツを抱きたかったのは無意識に体の相性が抜群だと分かっていたからなのか?
無きにしも非ずだとは思うが、完全に納得ができる理由ではない。
流石に外見だけでそんなこと判断できるほど百戦錬磨ではない。
いろんな女を見てきたが、外見と情交は全く関係ない。
好みでなくともまぐわえば善かった女だっていた。
だったら何だ。
コイツを求めてしまう理由は。
そんなのもう分かりきっているだろ?
分からないふりをしていた。
駄目だから。
ほの花も拒否しているから。
「…ほの花、ッ、俺の、女、になるか?」
「っ?!」
明らかに動揺して厳しい視線を向けてくるほの花の答えは明白だ。
それでも気づいてしまえばもう止められない。
「っ、ほの花…。俺は…」
「こ、の…!行為、の…ッッ、言い訳、に、しない、でください…!!」
言い訳?
抱いた言い訳に自分の女になれと言っているということか。
そんなつもりはない。
違う。
そうじゃない。
それなのに涙目で喘ぎながらこちらを睨みつけてくるほの花に俺はその後言葉を続けることができなかった。