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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第34章 世界で一番大切な"師匠"※





「…秋元様のようなお客様と、お会いできたことだけでも私は此処に来て良かったと思えました。ありがとうございます。」


深々と礼を言う詩乃だが、そんな優しさを出したわけではない。勃起さえしていれば間違いなく俺はぶち込んでいた。
それほど溜まっていたからだ。


それなのにやけに頭を下げられてしまうので居心地が悪くなってしまう。


「…ああ、いいんだ。詩乃、着物を着て。時間まで話をしよう。」


「はい…!」


遊女は一日に何人もの男を相手にすることは少なくないだろう。
よく考えたら俺のように情交をしないが客としてくる男は重宝されるかもしれない。
偶然の産物だが、太客になる方法を見出せたことに少しだけホッとした。

もちろん欲を発散できれば、それはそれで助かったが、どうにもこうにもほの花が邪魔をしてくる。


アイツの顔を思い浮かべれば勃起など容易いことだろうが、それでは間違って名前を呼び間違える可能性があったりするため危険だ。


此処での"失態"は"失敗"を意味する。



「…秋元様も、どなたか心に決めた方がいらっしゃるんですか?」


「…"も"と言うことは詩乃はやはり想い人が?」


「あ…、い、いえ!その…!私は…、想い人を流行病で亡くしました…。今は、おりません。」



恋人が亡くなった、か。
どこかで聞いたことのある話だ。

流行病で亡くしたということは薬を買うために借金を繰り返したのだろうか。
見たところ詩乃は綺麗な顔立ちをしているが、普通の女子。
どちらかと言えば控えめで大人しい女のようだ。


遊郭で女同士の争いなどには向いていない。
だが、男はこういう控えめな大人しい女が好きなのだろう。

鯉夏はさておき、ここの店で二番手を張るのにはそれ相応の理由がある。

普通っぽい女子の方が本当の恋愛をしているかのように男は錯覚するのだ。


「そうか。私の知り合いの女子も最近恋人を亡くしたようだ。詩乃もつらかったね。」


「…お知り合いの方が…!それは…なんて嘆かわしいことでしょう。さぞお辛い想いをされていることでしょうね。お察しします。」


辛い想いをしている、か。
どんな男なのかということだけが気になりすぎて、そんなことまで気にしてやれていなかったが…


ほの花は、今も辛い想いをしているのだろうか。
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