第7章 君は陽だまり
蜜璃ちゃんが作ってくれたパンケーキは少し焦げてしまったけど、巣蜜をたっぷりかけたらほろ苦さはあまり気にならずに美味しく食べれた。それを食べ終えると彼女が町に買い物に行かないか提案してくれた。
「脚を隠せるものを探してみましょうよ!きっと何かあると思うわ!」
「え、いいの?蜜璃ちゃん、柱だし忙しいんじゃないの?」
「あら!今日はお休みだし、元々ほの花ちゃんとお話したかったんだから一石二鳥よ!!さ、行きましょ!」
天真爛漫な彼女の雰囲気は柱の人とは思えないほど話しやすくて勝手に笑顔になってしまう。出してくれた紅茶を全て飲み切ると、二人で再び町に向かった。
「宇髄さんってほの花ちゃんと二人きりだとどんな感じなのかしら?」
興味津々です!という顔で見てくる蜜璃ちゃんに少し顔が火照り出す。恋仲になったことで距離感はぐっと近付いて、宇髄さんの温もりを常に感じられるようになった。
「えー…?優しい…し、大人だからいつも甘えさせてくれる…かなぁ。」
「いいわねぇ!好きな人といつも一緒って憧れちゃう!」
「…でも、いつも一緒にいるからこそ…今日みたいに任務で居ないと…ちょっと寂しいし、心配に、なっちゃって…。」
死と隣り合わせなことは分かってるし、彼が生きて帰ってくると信じているけどやっぱり温もりを感じられないと不安になる。
宇髄さんが居ないことを思い出してしまうと寂しさが募ってきた。任務なんだからいつ帰ってくるかも分からないし、怪我をしていないかとか心配は絶えない。
「やだやだぁっ!惚気ってやつね?でもね、大丈夫よ!宇髄さんはとても強いし、ああ見えて結構冷静なところあるのよ?だから信頼も厚いわ。」
「…そう、だよね…!」
蜜璃ちゃんの言葉は最もで、自分が心配せずとも宇髄さんは強い。恋仲でも継子でもあるのだから師匠がちゃんと帰ってくると約束してくれたんだから信じて待っていないとダメだと言い聞かせることにした。