第7章 君は陽だまり
これは誰かに相談した方がいいかもしれないと思い、昨日に引き続きしのぶさんの家に向かっている。
しかし、あまりに連日行ってしまっているので手土産でも持っていこうと甘味屋さんに寄っていくことにした。
何を持っていこうかなぁとキョロキョロとお店を見回していると見たことのある桃色の髪の女性が目に入った。
服は見間違いようがない"滅"の文字。
そして目を奪われたのは隊服の裾の長さ。
(……ああ!み、短い!何だ…短い人もいるんだ…。)
あまりに知っている女性隊士の人の隊服と違ったので慌てて出てきてしまったが、採寸をしているのだから人それぞれ違うのは当たり前だ。
あまりに凝視してしまったため、ぐるりとこちらを向いたその人と目が合ってしまった。
「あらぁー!あなたはほの花ちゃんよね?!私!覚えてる?!甘露寺蜜璃です!」
「お、覚えてます!こちらに来たばかりの頃にお会いしましたよね?」
そう、あの柱合会議の時に会ったきり一度もお会いしたことなかったが、この桃色の髪と可愛らしい笑顔は忘れようがない。
「そうそう!また会いたいと思ってたのよ!もし良ければ少しお話しないかしら?ちょうど美味しい紅茶を買ったの!パンケーキを焼くから一緒に食べない?」
ほぼ初対面にも関わらず、すぐに懐に入ってくる人懐っこい彼女に悪い気がする人などいるだろうか。
隊服のことも聞けるかもしれないと思い、「もちろんです!」とすぐに返事をすると、彼女の屋敷に向かった。
「ほの花ちゃん、宇髄さんに連絡しなくていいの?」
「え?宇髄さんは今日は任務に行かれてていないですよ。」
「あら、そうなの?!それなら独り占めしちゃっても怒られないのね!よかったわぁ!」
いくら何でも女性に対して嫉妬するなんてことはないと思うけど、甘露寺さんが本当に嬉しそうに笑うので私まで嬉しくなってしまった。