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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第33章 世界で一番大切な"継子"※





ほの花が家を出て行って数時間経った。
いつも蝶屋敷に行くと長居してなかなか帰ってこないのだろうか。

これ以上、変な感情を持たないように顔を見ずに接してしまったので変に思っただろうか。
でも、顔を見てしまったら最後…と思ったのだ。


あの時は…


今となっては顔を見ずとも、今何やってるんだろうかと気になる始末。


どうせ蝶屋敷に行って、帰ってきた時には俺は任務に行く時間ですれ違いになることは想定内だった。


…であれば、此処にいても仕方ない。
どうせならば早いところ任務に赴いてしまうのもいいだろう。
余計なことを考えずに済むのだから。

そう思い、正午前には屋敷を出た。
任務の場所は此処より遠方だから早めに出るのは良いことだが、流石に早すぎるので昼餉でも食べようと馴染みの定食屋に入った。


一人で来ることもあったが、あの三人を連れてきたこともある。ほの花は…連れてきたことがあったのだろうか?
…思い出せないのはほの花のことばかり。

それが不可思議でならない。
でも、誰も答えを持っていない。

自分の考え過ぎなのだろう。
脳裏に浮かぶほの花はいつだって笑顔なのに、俺の前にいる彼女は思い浮かんだ笑顔とは違うもので笑うんだ。


何が違う?
それがわからない。


ひょっとして、俺はほの花を女としての見ていたのだろうか。だけど、俺には嫁がいる。
そんな感情を持ったのであれば、四人めの嫁として迎え入れたいと思うのに、アイツに恋人がいたと言う。
そして、ほの花は俺のことを師匠以上に見ていない。

どう考えてもそれだけ見たら俺の一方通行な横恋慕だ。


馴染みの定食屋で大盛りの天丼を平らげたところで食後の運動で当てもなくふらふらと歩いていたが、自然に足が向いた先にあった広場に目を見開くことになった。


俺はこの町に来て何年も経つのに、こんなところに来たことはない筈。

それなのに此処に足が向いたということは過去の俺がきたことがあるということか。

中央にある池を横目に歩いていると木陰に人の姿が目に入った。


(…こんなところで昼寝かよ)


見たところ背格好は女子のよう。
随分と無防備な女がいたもんだと通り過ぎようとしたところで目を見開く羽目になった。

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