第7章 君は陽だまり
「何だよ、もうバレたのか?アイツに。」
「ご、ごめんなさい…!」
「いや、別に責めてんじゃねぇよ。お前が俺のもんだっつーことを他の野郎に知っていてもらうのは必要なことだからな。」
まぁ、胡蝶は俺のことはおちょくってくるだろうが、ほの花に対してはそう言う気持ちではなかっただろう。ほの花のことは好きそうだし。
「あ、あの…付かぬ事をお聞きしますが…。」
「ん?」
未だに赤い顔をしたままだが、チラチラと俺の顔色を窺うような彼女は目を泳がせたまま信じられないことを聞いてきた。
「私と宇髄さんって…恋仲、なんですか?」
「………はぁ?!」
「え、あ、いや、…!す、す、すみません!」
コイツ、嘘だろ?
俺、好きだって昨日言ったよな?
つい今も"俺のもん"発言したよな?
まさか耳悪ィのか?
それとも本物の馬鹿?
信じられない生物を見るような目で隣の女を見下ろしてやる。その視線に耐えかねて完全に視線を逸らすほの花の頭を掴んで無理やりこちらを向かせた。
「ヒィィィっ!ご、ごめんなさい、ごめんなさい!」
「いいか、よく聞け。俺はお前を好きだっていったよな?」
「は、はい!ききました!ありがとうございます!!」
「それで……ん?」
「え?」
そういや、コイツの口から俺のこと好きだと言うのは聞いてないということにまさかのこの時点で気付いたのは俺がぼんくらなのか?
まさかと思うがここまで来て"師匠としか見れません"なんて言ってくるんじゃねぇだろうな。
「ちょっと待て。お前、俺のこと好きか?」
「え、と、突然なんですか?!」
「お前からは聞いてねぇ。」
その顔はもう可哀想なほど真っ赤になってしまってその反応だけで悪い答えは思い浮かばない。
先ほど胡蝶にほの花をいじめるなと言ったくせに自分の方がほの花のことをすぐに揶揄いたくなってしまうと言うのに。
「なぁ、ほの花…?聞かせろよ。」
耳元でそう伝えれば涙目で唇を噛み締めてぷるぷると震えるほの花が可愛くてたまらない。