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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第32章 世界で一番大切な"ただの継子"





ボーッとした頭で見つめる先にいるのは大好きな人

ああ、やっぱり私はこの人のことを愛してるんだ。
夢にまで出てくるんだからお得だなぁ。
というか出てきてくれるなら別に記憶を消しても全然悲しくないや。

だって眠ればあなたに会えるんでしょ?


そう思って手を伸ばしてみるとその手に感じる筈のない温かさを感じて途端に頭が覚醒した。
慌ててその手を引き抜くと体を起こしてマジマジとその人を見つめた。


「は、…お、おい。そんな勢いよく起きて大丈夫かよ?」


「し、師匠…?な、何故此処にいらっしゃるんですか?」


「胡蝶からお前が発熱して此処に泊まるって聞いたから見舞いに来たんだろ?」


ヤバイヤバイヤバイ…

私は今、彼に何をした?
手を伸ばして…覚えてないけどまさか「天元」なんて名前で呼んでないよね?

体は怠いし熱いけど、全身に悪寒が襲う。
まさか来るなんて思わなかった。絶対しのぶさんだって驚いていたと思う。

ちゃんと記憶は消えてる…大丈夫
だって私がいま"師匠"って呼んでも、敬語で話しても怒ったりしない。
いつもの彼ならば怒り狂って此処で押し倒されるような案件だ。



「ぇえ…あ、ありがとう、ござい、ます…でも、大丈夫です!もう平気です!」


「平気なわけねぇだろ。つい今此れで冷やしてたとこだぞ?阿呆か。」


そう言って手に持っている手拭いを掲げてみせた宇髄さん
いや、確かにそうなんだけど…流石に此処で二人きりはまずい

何がまずい?
そんなの…私の想いが爆発してしまいそうだからに決まってる


「あ、ああ…!あはは…、じ、自分でやります。ありがとうございました。」


そう言ってその手拭いを受け取ろうとしたが、もっと高い位置に掲げられてそれを取ることは叶わない。
突然の意地悪に瞬きを何度もして彼を見つめるが、その顔は呆れている様子だった。



「いいから寝てろ。俺がやってやるから。」


「だ、だ、大丈夫です!!師匠、任務は良いんですか?!私なんかのことは気にせずどうぞ行ってください!」


「私なんかとか言うな!俺の大事な継子だろうが!!」


「な……」


人生とは思い通りにいかないものだ。
思い描いていたものとは違った今がそれを物語っている。

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