第31章 忍び寄る終焉※
何度絶頂を迎えたかもう分からない。
それでも彼の律動は終わらない。
だけど今日は終わりたくない気もしている。
ずっとこうやって宇髄さんに抱かれていたい。
彼の腕の中でずっといられたらどれほど幸せだろうか。
でも…少しずつ少しずつ…余裕のない表情をした宇髄さんが玉のような汗が額から流れ落ちている。
「…もっ、と…天元…」
「煽んなって…!」
口角を上げながらもその眉を顰めている彼は私の足を抱え上げて更なる最奥へと突き進んでいく。
激しく打ち付けられているというのに感じるのは快感だけ。
あまりの気持ちよさに全身に鳥肌が立っている。
ぱちゅんという音と共に屹立が打ちつけられ、また引き抜かれると再び打ち付けられる。
淫らな蜜が抽送の助けとなり、彼の男根を何度も受け入れる。
どれほど彼に抱かれてきたのだろう。
優しく、時に激しく、全身全霊で愛してくれた宇髄さんが大好きだった。
そしてこれからも大好き。
何一つ変わらない。
そばにいるよ
宇髄さん
「天元…だいすき…」
「…知って、る…っ」
ずっもずっと愛してる
最奥までの抽送速度が上がったことで彼の限界が近いことがわかる。
ああ…終わってしまう。
終わらないで
打ち付けられる度に響く蜜の音と二人の荒い息遣いが一つになっていくとどちらかともなく口づけをした
白っぽくなってきた頭が覚醒したのは自分の膣内に熱い飛沫を感じたからだ。
突然のことで呆然としてしまったけど、私の肩に顔を埋めたまま動かない宇髄さんにどちらも言葉を発することができずにいた。
でも、沈黙を破ったのは宇髄さん。
むくりと体を起こすと私に向かって悲しそうに笑った。
「薬…まだ飲んでんの?」
それは私が飲んでいる経口避妊薬のことだろう。
質問の答えは決まっている。
笑顔を作ってコクンと頷けば、ゆっくりと男根を引き抜いてため息を吐いた。
「最低だって思われても良いけどよ…いま、お前を孕ませてやろうと本気で思った。」
「え…?」
「何考えてるか知らねぇけど…勝手なことすんなよ?あともう薬飲むな。もう我慢できねぇからお前を嫁にする。お前の居場所は此処だ。子どもが出来たってかまやしねぇよ。」
その顔があまりに真剣で目を逸らすことができなかった。
そしてそんな彼の想いが嬉しくて涙が出そうだった。