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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第31章 忍び寄る終焉※





嫌がる玄弥に無理やり話しかけているけど、ちっともこちらを見てくれないし、「やめろ」「離せ」しか言ってくれない。

流石にこのままじゃまともに話せないし、埒が開かない。切り札のつもりだったけど、取っておいてもいつ使えば良いか分からない言ってしまおう。


「一昨日ね、風柱の不死川さんと一緒の任務だったの!ひょっとして親戚か何かなの?」


「え…?!」



しかし、やはりそれは切り札といって間違いなかったようで、暴れていた玄弥はピタリと動きを止めてこちらを食い入るように見ていた。


「私ね、音柱様の継子なんだけどね、薬師としても活動してるの。一昨日は医療班として同行したんだ〜。同じ苗字だし、雰囲気ちょっと似てるから兄弟か何か?」


「……あんたが音柱の継子で恋人っつーのは知ってる。有名な話だ。」


そこはやはり宇髄さんがいろんなところで言いふらしているため、彼が知っていてもおかしくないけど…切り札と思っていたことには触れてこない。
でも、明らかに動揺していて、その様子は話して良いのだろうか?という不安が垣間見えた気がした。首を突っ込むのはいかがなものかと思ったが、気になっていたのも事実なので思い切って突っ込んでみることにした。


「不死川さんとは兄弟なの?あなたは弟?この前の任務の時ね、怪我しちゃったんだけど、不死川さんにはお世話になったの。」


「……。」


無言の玄弥だけど、不死川さんの話をすれば口を挟んでくることはない。
ということは…知りたいんだ。
不死川さんのことを。
兄弟だとは思うけど、不死川さんは弟はいないって言ってたし、きっと喧嘩別れでもしたのかもしれない。

だから玄弥もハッキリと言えないのかも。
そう考えたら途端に兄のことが恋しくなった。
兄は四人もいたけど、四人と喧嘩することもあったけど、大切にしてもらったのも事実で、私にとっては大好きな家族だ。


いくら喧嘩していても分かり合える。
だって家族なんだから。

血の繋がりは何よりも強い絆のようなもの。



私は玄弥が話してくれなくても、話し続けることにした。だって本当に聞きたくなかったら今すぐこの場からさってる筈だから。

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