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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第31章 忍び寄る終焉※





珠世さんにもらった薬を飲むと、直ぐに身体中を引き裂くような痛みに襲われて次いで全身に悪寒と冷や汗が流れ落ちた。


「…ちょ、…こ、これ結構、き、キツくないですか…?」


突然襲いくる体の不調に耐えきれずに片膝をつく。しかし、安心させるように解毒剤を手に持っている珠世さんが申し訳なさそうに口を開く。


「ごめんなさい…。少しだけ…あと少しだけ…。毒の効力が最大になった時に採血をしますので。」


「…そ、そう言われても…。」


立っていられなくなってしまった私は遂に両膝をついて座り込む。
動悸と目眩、耳鳴りまでする。
体は熱く、発熱しているようだ。急激に体温が上がったことで頭痛まで併発する。


「珠世様の言うことが聞けないのか!この陰陽師風情が!」


「こら!愈史郎!次にほの花さんにそんな口を聞いたら許しませんよ?」


「はい!珠世様!」


もう…此方がツラいというのにツッコミどころ満載だ…。しかしながら、毒の効力が最大ってもっとツラくなるってこと…?
肩で息をし始めると座ってもいられなくなった。

土の上だけど構わずに倒れ込むように横になると鬼の二人に覗き込むように見下ろされて何とも無様な格好だ。


「…ま、まだですか…?ツラいです…。体痛いし熱いし頭も痛いです…」


「そうですね…。もう頃合いでしょうか。少しいつもより余分に取りたいのですが良いですか?」


「どうぞどうぞ…。もうどれだけでもどうぞ。兎に角、最高速度でお願いします。柱の方が戻ってきてしまいます。」


「え…でも、それでは…。」


「いーそーいでーくださーい!!」



早く終わらせたくて余裕綽々にそう答えたのが運の尽き。
私は薬師のくせに何故そんな簡単なことが分からなかったのだろうか。

大きめな容器を取り出されて、針を腕に差し込まれると確かにいつもより多めに取られているのは分かる。

分かるけど…分かった時にはもう遅かった。


通常、血を400cc以上取る場合はゆっくり時間をかけて採るのが普通。
大量に一気にとったら血が足りなくなって貧血の症状が出るからだ。

どんどん抜かれていく血に毒の影響だと思いたいほどの目眩に私は怖くなった。

まさか…貧血に…なりませんよね…?


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