第31章 忍び寄る終焉※
考えたこともなかったけど、そういや万が一俺が死んだら…、ほの花は他の男のところに嫁ぐ可能性があるってことだ。
死んだ後のことなんて考えても仕方ないと言われればそれまでなのだが、考えただけでも身の毛がよだつ程の嫌悪感。
ほの花の初めては全部俺が有難く頂戴した。
ほの花は俺しか知らないのだ。
それなのに俺が死んだがために他の男と交際し、結婚するだと…?
奥歯をぎりっと噛み締めると震えが起きた。
結婚するということはもちろん俺以外の男に抱かれるということだ。
ほの花は冗談で言ったつもりだろうが、鋼鐡塚とか言う男のところに嫁に行くだなんて絶対に許さない。
ほの花は俺の女だ。
誰にも渡さない。
死んだとしても…誰にも渡したくない。
そんなことは贅沢だし、絶対言ったらいけないこと。
それなのに本能が全力で拒否をしている。
コイツを絶対に誰にも渡さないと。
「い、いで…いでででで…!!天元…!こ、腰…もげる…!!」
「んぁ?!あ、ああ!悪ぃ悪ぃ…。」
気付けば引き寄せていたほの花の腰を力任せに掴んでいたらしくて悲痛な叫びを訴えかけていて慌てて緩めてやる。
不満そうにこちらを見上げる彼女の背中を撫でてやるが、口を尖らせている姿が可愛くてそのまま口付けた。
甘い唇を堪能できるは俺だけ。
この細い腰を引き寄せることができるのも俺だけ。
抱けるのも俺だけだ。
誰にも譲らない。
名残惜しくも、此処が道端だと言うことで仕方なく唇を離すと再び腰を抱いて歩き出す。
「しのぶさん達いつ招待するの?楽しみだねぇ!!」
「お前な…、もっと余韻に浸れよ。口付けた後だっつーのに。」
「そ、そんなこと言ったって話題を変えないと恥ずかしいんだもん!」
「ったくよぉ…、外で抱くぞ。」
「ヒィッ…!そ、それだけは…!」
本気出せば何処でも抱ける。
俺はもうほの花しか勃たねェと公言しているが、そのかわりほの花ならばどこでも勃起させられる自信があるのだ。
真っ赤な顔をして少し離れようとするほの花を引き寄せて耳を舐めてやった。
俺の本気度に気づいたほの花が途端におとなしくなったのは言うまでもない。