第31章 忍び寄る終焉※
アオイちゃんと廊下を歩いていると、バッタリとカナヲちゃんと出会った。
私を見るなり驚いたような顔をしている彼女に手を振って近付いて行く。
「あ、カナヲちゃん!こんにちは。」
「ほの花ちゃん!?え?何で隊服なの?もう休暇終わったの?」
「あ!そう言えばそうね!応急処置にも手伝いに来てくれていたし…。」
確かについ最近まで遊びにくる時は隊服ではなく、普段の着物を着ていたので隊服を着て此処を訪れるのは久しぶりだ。
「うん。そうなの〜。今日の夜から風柱様のお供で医療班として任務に行くよ。」
「え?風柱様?音柱様じゃなくて?」
アオイちゃんの驚いた顔に苦笑いしか返せない。
やっぱりそう思うよね。
宇髄さんと任務に行くことなんて今後もない気がしてならない。
「あー…うん。宇髄さんとはまだ一度しか行ったことないの。こんなに被らないことあるんだね。」
その一度と言うのも不死川さんが気を利かせて仲直りをさせるために仕組まれたもので、最初から私が行くはずだったものではない。
本当に一度もないと言う表現に間違いはないと思う。
「へ〜、そうなんだね?でも、ほの花ちゃんは薬師としての仕事もあるから仕方ないよね。わざわざ合わせるのも難しいし、音柱様も連れて行けなかったのかもね。」
「そう、だと思う。」
ただでさえ薬師に専念してほしいとすら思っているだろうと言う予測はついているのだからアオイちゃんの見解も間違ってはいない。
本当のところは分からないけど、私を守るために連れて行かないんだと思う。
どうせ断られるのに連れて行ってと言うのも喧嘩の原因になりそうだし、言わないのが得策だろう。
「カナヲちゃんもお昼ごはん一緒に食べない?宇髄さんが来てるんだって。」
「ありがとう。でも、師範から頼まれごとをしてるの。またにするね?」
「あー、そうなんだ。残念…。」
てっきりカナヲちゃんも一緒にごはんを食べれるのかと思いきや、用事があると言われ、アオイちゃんまで炭治郎達のごはんの準備があるから同席できないと言われてしまった。
案内された部屋の前まで来ると元気に手を振って走って行ってしまったアオイちゃんを見送ると襖の向こうに声をかけた。