第31章 忍び寄る終焉※
昨日の宇髄さんは本当に様子が始終おかしかったけど、嫉妬してくれている割には物凄く優しく抱いてくれて拍子抜けしてしまった。
いつも嫉妬してると荒々しいほど激しく抱かれると言うのに。
もちろん優しく抱かれるに越したことはないが、嫉妬されるのも嫌いじゃない。愛してると体で表現してくれる宇髄さんは結構好きだ。
「あ!朝ごはんと一緒に昨日、瑠璃さんが買ってきてくれたみたらし団子食べよ〜っと!」
「おいおい、お前な…、せっかく寝起きの一発をしようとしてる時にそれ言うか?」
「え、そうだったの…?」
先ほど目が覚めて彼の腕が体に絡み付いていたのはいつものこと。
耳元で「おはよ」と言われるのもいつものこと。
微睡にぼやーっとしながらもだんだんと意識を覚醒させていくと、昨日瑠璃さんがお出かけした時にお土産で買ってきてくれた甘味の存在を思い出したのだ。
宇髄さんがいる時は無闇矢鱈にたくさん食べられない。夕飯が食べられなくなるだろうが。と苦言を呈されて豆大福しか食べられなかったので、朝起きるのを楽しみにしていた。
しかし、後ろから抱きしめてくれていた宇髄さんに朝からそんな一言を浴びせられて、漸く腰辺りに存在を主張している大きな其れに気づく。
朝は滾りやすいらしいのだが、そうは言っても早朝とも言えない時間帯。
もう7時だ。
そろそろ皆起きている頃だし、流石に今日は瑠璃さんとお出かけするからこれ以上のまぐわいはやめて…もらいたい。
「て、天元…。あの、私、今日ね?瑠璃さんとお出かけするから…夜じゃ駄目…?腰痛くてそれどころじゃなくなっちゃうよぉ…。」
「…はぁ?ったく…、また瑠璃かよ…。仕方ねぇな。何時に帰って来んの?話があるから早めに帰ってこい。俺は任務があるから夕方には出ちまう。」
「分かった…けど、今聞くよ?」
「いや、ちゃんと話してェから後でいい。今はほの花を堪能しとくわ。」
そう言うとぎゅーーっと抱きしめられて宇髄さんの匂いで包まれる。
何の話なのかは分からなかったけど、真剣な話なら任務の話だろう。
大体の予測が立てば、私は甘えるように宇髄さんの体に身を任せた。
まぐあわずともこうやって肌と肌が触れ合っている微睡は大好きだ。