第31章 忍び寄る終焉※
お館様も了承してるっつーなら俺がとやかく言えるようなことではない。
ほの花に確認して了承するようならば、そうせざるを得ないだろう。
まぁ、医療班としてだ。
剣士として行くのではないのだから少しは気持ちが楽だ。
「いつの話だよ。」
「今週はとりあえず足りてるからよォ。来週から頼むわァ。ヤりすぎて足腰立たないなんて状況にだけはすんなよ。」
「……それは名案だな。普段もそうしておけば任務に行けねぇよな?」
「おいおいおい、お前顔がマジなんだよ。やめてやれェ」
不死川はあからさまに嫌そうな顔をしたが、俺は何度も言うがほの花を戦いの場に出すことは反対だ。
刀鍛冶の里での活躍はのおかげでほの花の薬師としての腕を鬼殺隊中に知らしめたと言って良い。
もう継子のくせに戦果もあげないで…などと陰口を叩かれることなどないだろう。
ほの花は薬師としての鬼殺隊で戦果も上げたも同然。
しかもお館様も柱すらも公認だ。
文句を言うことは万死に値する。
「そうは言っても俺は任務に行くのは前から反対だった。」
「仕方ねぇだろォ?最終選別を受けちまった以上、ほの花が駆り出されるのは避けられねぇよ。」
不死川の意見は分かってる。それが普通の意見だ。俺が溺愛し過ぎてほの花を手元に置いておきたいだけだ。
アイツは任務だと言えば、なんの迷いもなく行っちまう。
「そろそろ腹括れェ。最近、十二鬼月に動きがあるからいつ上弦との戦いになるかわからねェ。ほの花だってその戦いに当たる可能性だってある。もちろんお前も。そうなった時、どうすんだよ。」
「わぁーってるよ…」
「流石に俺らがいくら柱だからと言って、人守りながらじゃ、十分に戦えねェ。ほの花離れしろよ。アイツだって命を賭ける覚悟はしてンだろォ?」
どいつもこいつも…
口を開けばほの花を守るなんて戯言だと言わんばかりに。
確かにそうかもしれねぇ。
だけど、守らなければどうなる?
アイツがいないこの世のことを考えると絶望感しかない。
鬼がいなくなったとしても、ほの花もいなくなったって言うんならその戦いの意味を見出せない。
そんな未来ならばいらない。