第30章 "初めて"をください※
少し触れるだけの軽い口づけをしただけなのに恥ずかしくなってモジモジしてしまう私は本当にお子ちゃまだ。
怖いものも蝉とおばけなんて恥ずかしいことこの上ない。
口づけだって情交だっていつも私は彼にされるがまま。身を任せれば宇髄さんが上限なく気持ち良くしてくれるのだから私の身体はすぐに彼を求めてしまうのだ。
今も少しの口づけだというのにもっと欲しくなってしまって、もう一度…もう一度…と何度も口づけた。
そうする内に、変な気分になってしまうのは口づけ=情交だと刷り込まれているからだろう。
どうしよう…と思いながらも今日は月のモノでまぐわうことは叶わない。
どちらにしてもこの悶々とした気持ちには蓋をしなければいけないのは不満しかない。
これでは欲求不満では無いか。
いや、間違いなく欲求不満だ。
毎日毎日飽きずに抱かれ続ければ"シないこと"の方が珍しい。私は先ほど"一週間シない!"なんて言ってしまったが、無理なのは私も同じではないか?
そんな自分の情欲に気づいてしまうと、彼の其れに触れたくなってしまった。
恐る恐る宇髄さんの下半身に手を伸ばしてみると、いつもの猛々しく凶暴な其れではなく、柔らかいモノを見つけた。
大きく滾った其れしか見たことがなかったので、いつもはこんな感じなのか…と初めての感覚に頬を緩ませた。
手の中に収めてしまった男根を上下に動かしてみるとまるで牛の乳搾りでもしているかのような気分になった。
(なんか可愛い…。いつもはあんなに凶暴なのに。)
いつもは見せない男根の姿に興奮してしまい、私は手淫するように扱き始めた。
すると、少しずつ手の中のモノが膨らみ始めたのが分かる。大きくなっていく過程なんて見たことがないし、見ることもないと思っていたので"面白い"と感じながら、手の中の感触を楽しんだ。
柔らかな男根がだんだんと熱を帯びてピンと皮膚が張っていく。もちろん手の中に収められたそれもどんどんと大きくなることで指が回らなくなってしまうと、間違いなくいつも私をドロドロになるまで愛してくれる其れだった。
(…寝ていても感じるのかな?)
寝込み襲ったことなど一度もないのでそれすらわからないが、私は上下に動かすそれを止めることはなかった。