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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第30章 "初めて"をください※





「あー、鍛錬の話な?そりゃ、仕方ねぇだろ?俺のが派手に強いんだからよ。」


「ぅ…、それはわかってるけどさ…。」


もちろん宇髄さんは強い。
今回回復機能訓練をしてみて、余計に感じた。
ああ、やはり柱は特別強いのだと。
そんな彼といつも一緒にいて、稽古をつけてくれてもらっているのだから呼吸を使えずとも炭治郎たちと実力差があるのは当然だ。


「私、呼吸使えないけど、こうやってまだ戦えるのは宇髄さんのおかげだね。今日、見ててしみじみと感謝しちゃったよ。ありがとね。」


「まぁ、実戦の戦い方に関してはそうだけど、お前の陰陽師として備わってる能力もかなりのモンだ。呼吸使いが全てじゃねぇし、お前は薬師として評価されてるんだからいいじゃねぇか」


確かに前回の刀鍛冶の里での一件で私の薬師としての評価は益々高くなっていると思う。でも、剣士としては?
今は休暇中だから任務は入らないけど、この期間に怠けてしまったらいざ任務が入ったときに全く体が動かなくなってしまう。
それでは本末転倒だ。


「そうだけど…やっぱりちゃんと戦って戦果もあげたいし、みんなが頑張ってるのを見ると私も頑張らなきゃって思うよ。」


「…まぁ、そうだわな。でも、お前すぐ無理するからよ。忙しすぎるとまたぶっ倒れるから二刀流をすんならちょっと休みを増やせ。過労死するぞ。」


宇髄さんの顔は真剣だ。
確かに任務も薬師の仕事も家事まできっちりやっていたとき、過労で倒れてしまったのはつい数ヶ月前のこと。

だいぶ心配させてしまったせいで、宇髄さんは益々心配性になってしまった。
「無理するな」「休め」は最早口癖だ。
ちょっとくしゃみしただけで、隣の部屋からすっ飛んできて熱の確認をされた時は、開いた口が塞がらなかった。


「俺は…、せっかく薬師として認められてんだからよ。俺の継子だっつーことは気にせず薬師としてやってけばいいんじゃねぇかとは思うけど。」


ほらね、宇髄さんはこうやって私のことを心配して、本当は医療班にしたいと思ってるんだ。
それは私がまだまだ弱っちぃからだ。
戦場に出すには心許ないから。

ありがたいことだとは思うが、そう言われれば言われるほど…、どうしても剣士として役に立ちたいと思ってしまうのだ。



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