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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第30章 "初めて"をください※





いきなり任務を言い渡されて行ったはいいが、あまりに遠方で流石に腹が立った。
瑠璃の弊害が無くなったからこれでほの花と気兼ねなく過ごせると思ったのに、これではほの花の長期休暇が終わってしまうではないか。


腹が立って仕方ない。
苛つきながら雑魚鬼をめった斬りして帰路に着いたのはいいが、部屋にほの花の姿がなくて余計に機嫌が悪くなる。


まだ昼間だ。折角、途中地点の藤の家を早朝に出発してきたと言うのにいないとか…俺が報われねぇわ!!


仕方なく隊服を脱ぎ捨てて部屋を出ると「あら、おかえり」と声をかけられた。
振り返らなくてもそれが誰かなんてすぐに分かるのだが、ほの花の居場所を聞くにはちょうど良かった。


「おー。なぁ、ほの花知らねぇ?」


「あんたの開口一番はほの花ばっかりね。まぁいいけど。男に会いに行くって言ってたわよ。」


「…………は?!ちょ、ちょっと待て…!どういうことだ?」



あまりにサラッと凄いことを言われてツッコミが狼狽えてしまった。男に会いに行く??
一体誰のことだ。
いや、待て。別に浮気しに行ったわけじゃねぇだろ。アイツはそんなことできねぇ女だし、堂々と瑠璃に言ってから行くということは間違いなく、浮気ではないはずだ。


「知らないわよ。なんかお見舞いって言ってた気がするけど。」


「見舞い…?」


見舞いと言われてパッと思い浮かぶのはこの前の柱合会議の時にやたらと仲良さそうだった鬼を連れた餓鬼のこと。

たしか…"竈門炭治郎"。


同期だということで仲が良いのか仕方ないし、納得しているが、俺のいない時に見舞いに行くなんざほの花もいい度胸じゃねぇか。


「…あー…、アイツか…。」


「あら、知ってたの?なんか大荷物持って行ったわよ。」


「荷物?」


薬箱でも持って行ったのだろうか。
見舞いに行くと言うのだからいくら長期休暇中とはいえ、あの性格じゃ少しばかり薬の調合でもしに行ってるのかもしれない。

大きくため息を吐いたが、迎えに行こうにも本当に薬の調合に行ったのであれば連れ戻すにも時間がかかるだろう。

胡蝶にも睨まれるに決まってるし、此処は大人しく待つべきか。
そんな俺を見てニヤニヤと笑っている瑠璃の姿がやたらと鼻についた。



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