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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第30章 "初めて"をください※





「ぜーんいつっ!やっほー!」


心の中で音柱の悪口を延々と言っていたら可愛い可愛いほの花が病室に顔を出してくれた。
ァアアアアアッ!!今日も可愛いよぉぉおっ!


「ほの花ーーーーっ!!来てくれたんだね!?ありがとぉおおおおっ!!」


「へ…?え、昨日も来たじゃん?薬…。」


「うんうんうん!俺に会いに来てくれたんだよねぇ?!音柱って奴にはもう飽きた?!飽きたならいつでも俺のとこに来て良いんだからね?!」


「…あ、あはは。宇髄さんは今日戻ってくるんだって。遠方の任務に行ってたの。」


…と言うことは暫く会っていなかったということ?!絶好の機会じゃないか!!
ほの花の心を取り戻せるかもしれない!!

目の前の椅子に座るといつも通りに薬箱を開けて、薬の調合をし出すほの花の横顔は本当に綺麗だと思う。

艶々の肌に桃色の頬。目はぱっちりして黒目がちだけど、髪は長くて栗色で目を奪われて俺の口は半開きだ。


「まだ不味いよね?ごめんねぇ。これ以上、苦味とってあげられなくて。しのぶさんにも確認したけど、これ以上は調整するの難しいと思うの。」


「へ…?え、あ、ああ!いいのいいの!!俺、頑張って飲むからさ!!元気になったら一緒に甘味食べに行こうねぇ?!俺、奢っちゃうからさ!!」


「え?!甘味?!いいの?私、大好きなの!」


こちらが眩しくなるほどの可愛い笑顔を向けられるとまた鼻血が出そうになってしまったけど、必死に堪えて震えながら彼女を見る。

あああ、何て可愛いんだぁあ…。
音柱め…、滅!!滅してしまえ!!!
地獄に堕ちろ!!!
鬼よりお前が滅しろ!!!


「そうなのぉおおおっ?!ほの花は甘味が好きなんだねぇ!?」


「うん!大好き!!善逸も好き?炭治郎達も好きかな?!みんなで行くの楽しみだねっ!早く治るといいなぁ!」


「…みんな?」


「え?うん。あ!カナヲちゃんとアオイちゃんも誘おっか!!」


よし、帰ってきたら炭治郎と伊之助をまずぶん殴って暫く動けないようにしてやろう。
俺は二人で行こうと思っていたのにぃっっ!
何なの、この子!!
鈍いの?!鈍チンなの?!

そんなところも可愛いけど!可愛いけども!!

ふわふわと優しい音をさせながらコロコロと変わる表情を見ながら俺は人知れず絶望した。

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