第28章 無欲と深愛※
待ち望んではいた。
宇髄さんが欲しくて、早く絶頂を迎えたくて疼く体をなんとかして欲しかった。
でも、いざ大きな男根で貫かれてしまうと何も考えられなくて、茫然としてしまった。
あまりの圧迫感に息もできなくて、呼吸が浅くなってしまう。
「っ、ばぁ、か…。息、しろって。余計につらいぞ。」
「だ、っ…て…!」
分かってる。
私の体が固まっていると宇髄さんもつらいと言うこと。
でも、震える体が彼のそれを握りしめて離さない。緩めてしまえば最後。
すぐに達してしまいそうだ。
早く絶頂を迎えたいとあれほど思っていたのに、直ぐそこまで来ると腰が逃げてしまうのは何故だろうか。
落ち着かせようと律動をしないでいてくれているのに申し訳なさで打ちのめされそうだ。
「天元…っ、うごいて、いいから…!」
「…いいから。黙ってろ。落ち着いたら…言え。」
こんな時でも宇髄さんは優しい。
本当は早く動きたいだろうに、私の体を労ってくれている。
膣壁がギチギチに噛み付いている状態で律動すればその分、痛みも伴うし、蜜口も擦過傷のような状態になって、その後ヒリヒリ感が続くのだ。
少しでも早くそれを落ち着かせたくて、私は宇髄さんに抱きついて彼の心臓の音を聴こうと胸に耳を寄せた。
つらい時、苦しい時、いつも彼が抱きしめてくれたからか。いつの間にか私にとって彼の心臓の音が安心材料になっていた。
トクントクン──
拍動に合わせてゆっくりと呼吸をすると自然と気持ちが穏やかになっていく。
浅くなっていた呼吸が深呼吸できるようになった頃、私は漸く口を開く。
「…天元、もういいよ。大丈夫。動いて…?」
「ん…。了解。」
抱きついていた私を少し離すと、唇に熱い口づけが降ってくる。それが始まりの合図。
漸く彼の番が来たと言うこと。
ズチュ──
男根を挿抜すれば、勝手に蜜が絡むことで厭らしい音が響くが、蜜路は弛緩しているから痛みはない。
十分に潤った蜜により入口から最奥までの道は簡単に往復して、私に簡単に快感をくれる。
衝撃に耐えるため彼の腕を縋りつき、大好きな彼を最奥まで受け入れた。