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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第28章 無欲と深愛※




「音柱様って本当にほの花ちゃんのことしか興味ないよね?」


「えー?な、何で?」


「だって此処にいらっしゃる時って大体ほの花ちゃんを迎えに来る時かほの花ちゃんの体調悪い時じゃない?それ以外でほとんど見かけた事ないよ。」


確かにアオイちゃんが言った理由で此処にいることはあるが、柱だし、それ以外でもちょこちょこ顔を出しているのだと思っていた私は目を見開く。


「そうなの?知らなかった。柱同士だし、頻繁に顔出してるのかと…。」

「ああ、例えば打ち合わせとかならたまーにいらっしゃるよ?でも、それはお仕事としていらっしゃってるだけだし。ほの花ちゃんがいなかったこの一ヶ月間は一度もお見かけしなかったわ。」


宇髄さんが私にしか興味ないと周りにも知られていることは嬉しいし、私だけを大切にしてくれてるのも嬉しい。

でも、それは私が一般人だったから。
本来、忍一族では多くの妻を娶り、子孫繁栄のために子をたくさん産むのが求められるのだろう。
特に聞くところによると"宇髄家"というのは忍の中でも名家なようだ。
里を出て、絶縁状態とはいえ、彼は私のために一般的なあるべき姿、一夫一妻を形にしようとしてくれてる。


それは有り難いことだけども、里から彼を探しに来た瑠璃さんからしたら受け入れ難いことだ。
しかも、どこかの忍の家系の女でもない。
得体の知れない女が宇髄家の嫁に来て、それに付け加えて元々奥様だって人達をその座から引き摺り下ろしたと思っても仕方ない。


もちろん奪い取ったというつもりもないし、お互いの認識的にもそうではないと言い切れるけど、私がいなければそうはならなかったというのも否めない。


「そっか。宇髄さんは優しいからなぁ。一人で大丈夫なのに結構迎えに来てくれちゃうもんなぁ。」

「あら、いいじゃない!ほの花ちゃんのことが心配なのよ。昨日も竈門くんの手当てをしてるって言ったら舌打ちしてた。だから慌てて呼びに行ったの!」


その光景は目に浮かぶ。何をそんなに気にすることがあるのだろうというほど、心配性で私に男の人が近くにいると機嫌が悪くなるのはいつものこと。
アオイちゃんの話を聞いて苦笑いを浮かべるしか出来なかった。
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