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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第28章 無欲と深愛※




瑠璃さんのことはあの三人が止めてくれているとは思うが、私たちは町を抜けるまで全速力で走った。
鬼殺隊である以上、当主のことをお守りするのは当たり前のこと。
瑠璃さんが産屋敷様に何かするかどうかは分からないが、少しでも危険から遠ざけるために念には念をだ。


宇髄さんもそこだけ心配をしていたので、これで安心だろう。
いつの間にか正宗たちへの信頼度は凄まじく、宇髄さんは彼らがいれば許してくれることが結構多い。
買い物であっても、今回の任務でも。
そして元奥様達のことが困った時も「アイツらに頼め」と言って、すごく頼りにしている気がする。
男同士で分かり合えることがあるのか、今日の夜は四人で酒盛りをすると嬉しそうに朝教えてくれた。

自分の元護衛と恋人が仲良くしてくれるのは嬉しい。
正宗達は家族同然として共に育ったから、彼らと仲良くしてくれると言うのは家族と仲良くしてくれてると同じこと。


「はぁ、はぁ…此処まできたら安心ね。さ、行きましょう。」


「そうですね…。それにしても、物凄い圧ですね?瑠璃さんと言う方。」


「もう我々は面白くて笑いを堪えるのに必死だったんですよ?!」


「笑ったら宇髄様の怒りがもっと拍車がかかるだけだと思い、必死に我慢したんですから。」


そう言い終わると、「あははははっ!!」と後ろから大きな笑い声が聞こえた。余程我慢していたのだろう。
しゃくりあげる程に笑い狂う三人に私はだんだんと腹が立って来た。


「何よ!こっちはどうしようかなって考えあぐねているって言うのに!」


「す、すみません!でも、ほの花様だって大して気にされてないじゃないですか。我々と大して変わりないですよ。」


正宗のその言葉が胸に突き刺さる。
確かに私も大したことだと思っていないのは当たっている。
宇髄さんが怒っている理由もよく分からないほどに。

いや、でも…鋼鐡塚さんに宇髄さんのことを悪く言われた時、私は本当に腹が立ったんだっけ。
それを思い出せば、こんなに興味がなくて平然としているのも彼からしたらモヤつく原因なのだろう。


(…かと言って怒ってもいないのに怒るのもなぁ。何か変な感じだし。)


心の中は考えがまとまらずにあちこちに散らかってしまっていて、大きくため息をはいた。
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