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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第28章 無欲と深愛※





お互いお風呂から出ると部屋に帰ることなく、宇髄さんの部屋で一夜を過ごすことが何だか変な気分だった。

宇髄さんは部屋が一緒なのが嬉しいらしくて、頗る機嫌がよかったのに、朝起きて食事になると再び瑠璃さんの私への口撃に朝から怒り狂う始末だ。


しかし、今日の唯一の幸運は、正宗たちと産屋敷様の屋敷に行くこと。
要するにこの家に居ずに済むので瑠璃さんとの接点も少なくて済む。
宇髄さんも今日は用事があり、その後不死川さんと任務の打ち合わせがあるらしい。また共同任務ということだ。

宇髄さんが居ないのであれば、帰りに蝶屋敷に寄って、女子同士で楽しくおしゃべりでもしてから帰ろう。
昨日、アオイちゃんともおしゃべりできなかったから少しお話したい。


今日はこうやってやることがあるため、堂々と家を空けられるが、逃げ回ることはできない。一週間で私を見極めるという約束なのだ。
認められなければ、家を出て行くと言ってしまった以上、何か策を練らなければいけない。


まぁ、思い浮かばないのだけど。
あんなこと言ってしまったが、あの時は雰囲気があまりに悪くてその場凌ぎでハッタリを言ったのだ。

大した作戦はない。
御世辞などに絆される相手ではないし、かと言って話し合いなど無意味。
最初から私のことをスケコマシだと決めつけて取り合わない彼女に否定などしてもこれまた無意味。
例えば贈り物とかしてご機嫌を取ろうとか言う作戦も考えたが、そんなことしようものなら「物で釣る気?!」と益々怒られるだろう。

どうしたらいいのやら分からないが、兎に角一週間で何とかしなければならない。
宇髄さんはそんな約束は無効だ!と言って来そうだが、その時どうなるかはこの際置いといても、認めてもらえないのは悲しい。


彼女に認めてもらうためにはどうしたらいいか今日は一日ゆっくり考えよう。

宇髄さんの部屋に戻ると薬箱を持ち、私は正宗達を迎えに行った。
大荷物を持っていたことで「あら、出て行くの?それは良かった」と瑠璃さんに言われてしまったが、気にせず「行ってきます」とだけ伝えると雛鶴さん達に目配せをする。


後を付けられて産屋敷様の屋敷が見つかることは許されないからだ。

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