第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
慰労会を明日催してくれるつもりだったということを宇髄さんが教えてくれた。
こちらの都合で一日早く帰ってきたのだから、そんな宴会をやってくれるだけでも嬉しいのに申し訳なさそうに"今日じゃなくてごめんな“と言う彼に慌てて首を振った。
いつも思う。
特別なことなどなくとも、彼と共に縁側で日向ぼっこするのもいいし、薬を作りながらも宇髄さんが部屋にいるだけでも嬉しい。
共に過ごせることが何よりも褒美だということが今回の任務で余計に身に染みてわかった。
だから普段通りの夕食が嬉しいと思ってしまうのに宇髄さんの機嫌は頗る悪い。
「そこは私の席よ。そっち座りなさいよ。この淫女。」
「テメェ…表に出ろ….「あ、わかりました!」」
私を罵るのは一向に構わない。
だけど、宇髄さんのいるところでするのはやめて欲しい。この後の機嫌を直すのに私の労力を考えて欲しい。
「ほら、席なんてどこでも良いじゃん!さ、座って!お腹空きました〜!」
無理矢理宇髄さんの肩を持ち、座らせると何故か瑠璃さんではなく私を睨んでる彼に顔を引き攣らせる。
何故私を睨むのだ。
食事くらい穏便に済ませてほしいと言う願いは彼には届きそうにない。
それもこれも瑠璃さんがいつでもどこでも私に罵詈雑言を吹っかけるからだ。
帰ってきてから数時間、私以上に怒り狂う宇髄さんに頭を抱えてしまう。
こんな時は少しだけ宇髄さんと離れた方が揉め事が起こらなくて良い。
そう思い、いつもの席には瑠璃さんに座ってもらい、彼の反対側に回ろうとすると、腰をがっちりと掴まれて引き寄せられてしまった。
「ひゃぁっ、な、なに?!」
「それならお前は此処に座れ。」
「座れるわけないでしょー?!何ふざけてんの!!」
「ふざけてねぇわ!!」
あろうことか引き寄せられたそこは彼の膝の上。余計に火に油を注ぐ所業にこちらが顔を引き攣らせるも何のその。
悪びれもせずに腰から手を離さない彼に頭痛すらする。
もう怖くて瑠璃さんの顔すら見れないと言うのに。
いつもはこの辺りで雛鶴さんか正宗の雷が落ちると言うのに今日はニコニコと微笑んでるだけ。
最早此処に私の味方はいない。