第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
「離してよーー!」と暴れるほの花を瑠璃と反対側の隣に座らせると腰をがっちり掴んだ。
いつものほの花の席に瑠璃が座るものだから遠慮して真向かいに向かおうとした彼女を掴んで膝に座らせたのに喜ぶところか怒ってくるので仕方なく隣に座らせた。
そもそもほの花が遠慮をすることないのだ。
「そこは自分の席だ」と言って俺と共闘してくれてもいいのに、「席なんてどこでもいいじゃん。」って大して取り合わないのがどうも気に食わない。
本当にほの花は欲がない。
無さすぎだ。
瑠璃が此処に来たことで、彼女の無欲さが余計に際立って分かる。
「わーい!いただきまーす!皆さんのごはん久しぶりで嬉しいです!!」
「大して作れないからって雛鶴達に押し付けてるんでしょ?図々しい無能女。」
「あはは〜、そうなんですよ。私、あんまり作れないんです。瑠璃さん今度教えて下さいよ。」
「誰があんたなんかに。気安く呼ばないでよ。」
俺を挟んで繰り広げられる会話に何故俺だけが苛ついているのだ?
無能女だと?ほの花は料理だって上手いが、普段は鬼殺隊の任務や薬師の仕事が忙しくてやってる暇もない。
だから雛鶴達が率先してやってくれてるだけのこと。
一度無理し過ぎてぶっ倒れたこともあるし、これ以上負担をかけたくないというのはこの家の全員の共通認識だ。
確かにほの花の個人情報を漏らしたくなくて伝えてないことがたくさんあるのだから、瑠璃がそう思うことも完全には責められない。
それでも今日初めて会ったほの花に対して無礼過ぎるし、よくそんな罵詈雑言が出てくるなと思うほど酷くてこちらが胸糞悪くて仕方ない。
隣を見るとニコニコと美味しそうに味噌汁を啜るほの花にも腹が立つ。
何故こんなこと言われて腹が立たないのだ。
俺だったらすぐに喧嘩してボコボコにしてやるところをほの花は怒りもせず、耐えてる様子も見せない。
まるで全てを受け入れているかのよう。
せめて泣きついて来てくれれば、慰めたりできると言うのにその役目すら必要なさそうな彼女の様子によくわからない不満が溜まってしまった。