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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※





「ほの花様なら一瞬此処に顔を出されましたけど、すぐに出ていかれましたよ。部屋にいらっしゃらないのであればお庭では?」


「あー、そうかもな。温室の様子でも見に行ってんのかもしれねぇ。」


護衛官のうちの一人がそう言えば素直に頷き、すぐに部屋を出ていく天元。
こちらは一度も見ない。
まるで空気のようだ。

あっという間に元の空間に戻ると遠慮がちに声をかけられた。


「…瑠璃さんはまだ若くてお綺麗です。宇髄様に拘らずとも他に貴女様にお似合いの殿方がすぐ見つかると思いますが…。」


「…あんたに何がわかるっていうの?ただの護衛風情が黙ってなさい。」


「瑠璃さん!正宗様に何てこと言うんですか!謝ってください!失礼ですよ!!」


あの女だけでなく、この男達も此処の家で人権を確保してるようで雛鶴が真っ赤な顔をして怒ってくるので、鼻で笑ってやる。


「失礼なのはそっちでしょ?どの口が私に意見するのよ。あんたがすべきなのは大事なお嬢様の説得でしょ?早くあの女と一緒に出て行きなさい。」


「っ、瑠璃さん!!!」


やけに突っかかってくる雛鶴は置いといて、冷静な目でこちらを見上げると穏やかに微笑んだ正宗とか言う男。
怒るわけでもなく、悲しむわけでもない。


「ほの花様は瑠璃さんが思ってるよりもずっと冷静ですよ。貴女に罵詈雑言を言われようとも少しも痛みを感じていないと思います。」


「…ああ、空気の読めない鈍感女ってことね。通りで抜けてると思ったわ。」


「もちろんそういう節もあるのは認めますが、ほの花様は宇髄様の恋人であるという立場に少しも固執していないからです。」


この男は何が言いたいのだろうか。
真っ直ぐに見据えるその瞳は少しの澱みもない。嘘や冗談を言うような雰囲気でもない。


「彼が婚約者と言ってくれているから今はその立場と言うことになっていますが、その気になればそんな約束などなくとも彼のそばにいるでしょう。ほの花様にとって彼を愛すると言うのはそういう事です。」


諭すような口振りは腹が立つが、決して従わせようという感じではない。
護衛として主人を少しでも分かってもらおうという魂胆が見え隠れする。

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