第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
「いえ。宇髄様と連絡を取る手段がありませんでしたので何も言われておりません。本当に仕事に行かれただけです。すぐに帰ってくると思いますよ。どうぞ落ち着いてください。」
「ただいま戻りました」と言い、誰かが帰ってきた時、一瞬ほの花とかいう女だと思って慌てて玄関先に向かうと其処にいたのは知らない三人組の男。
ご近所の人かと思えば、雛鶴達が揃いも揃ってその姿を見て号泣して抱きついているではないか。
只事ではないし、よく見れば荷物を抱えていて長旅から帰ってきたような出で立ちだ。
躊躇わずに誰かと聞けばほの花とかいう女の護衛官だという。護衛とは随分と天元も用意周到だ。そこまでしてその女を守りたいっていうのね。
しかし、話してみれば昨日今日で護衛になったわけではないような話ぶり。
もう何年も仕えてきたかのように親しげにその女のことを話す彼らに益々、ほの花という女の素性がわからなくなった。
護衛が付くような金持ちの家のお嬢様ってこと?もしそうならば家柄だけは宇髄家に釣り合いそうだが、そんなことだけでは認められない。
ここに帰ってきた瞬間に八つ裂きにすることもできる。それなのに己が護衛をしていた主人を殺すと言ってみても顔色ひとつ変えないこの三人にも違和感しかない。
「…あんた、護衛のくせに馬鹿なの?帰ってきたら殺しちゃうかもしれないわよ?その女。」
「あはは。お手柔らかに願います。何せ大変な任務後に久しぶりにこの町に帰ってきた故、宜しく頼みます。」
「さぁ?それならせいぜい護衛につくことね。ただでさえ私は天元のことを寝取られて腹が立ってんのよ。」
まだ見ぬその女に向ける怒りはどんどんと増えていくばかり。
最初よりも確実に増えていっている。
誰に聞いても庇われて、
護衛まで付けていて、
天元までもが骨抜きにされている
そんな狡猾な女が宇髄家にのさばっていることが許せなかった。
「寝取るなんて…そんな大それたことほの花様には出来かねます。お二人は愛し合っていらっしゃいますよ。」
「黙りなさい!!!」
こうやって外堀から埋めて私を納得させようとしてることなんて一目瞭然。
だけど絶対に騙されたりしない。
これもそれも全てその女の策略なのだから。