第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
二回戦するか?なんてとても無理だ。
だから足腰立たない私は座り込んだまま後退りをして壁まで来たというのにそこで何と膣から溢れ出た物に絶望した。
まるで用を足してしまった時のような感覚に羞恥心で頭が真っ白になる。
でも、咎めることもしない宇髄さんから衝撃的な事実を告げられる。
── 此処はお前の部屋にもなったから遠慮せず使え
瑠璃さんが私の部屋を使っているとのことで、よくよく見るとこの部屋には私の薬棚や箪笥までもが移動されていて、必要最低限の家具しかなかった宇髄さんの部屋が少しだけ手狭になってしまっていた。
「…ごめんね、荷物入れたから狭くなっちゃったよね?」
「何でお前が謝るんだよ。悪ぃのは瑠璃だろーが。すぐに追い出すつもりがお前の部屋を使うって聞かなくてさ。こっちこそごめん。」
宇髄さんは私に謝らなくて良いと言ってくれたけど彼もまた謝らなくても良い。
しかしながら、何故彼は大人しく彼女の言うことを聞いているのか些か不思議だった。
追い出したいのであれば、宇髄さんなら追い出すなんて造作もないと思っていたから。
彼が言うことを聞く理由を考えてみると頭に浮かぶのは心が苦しくなるようなことで手を握り締める。
「…天元、ひょっとして…私のことで脅されてたの?追い出さなかったんじゃなくて追い出せなかったんじゃないの?」
「…あー、いや…、脅されてたっつーか…なんつーか…」
妙に歯切れの悪い彼に私の考えが正解だとすぐに分かる。いつも豪快且つ男気がある宇髄さんがこんなにも慎重になるのなんて私が足枷になってるとしか考えられなかった。
それだけ宇髄さんは私のことを大事にしてくれてるのは知っているし、どう考えても今の状況は異様にも感じた。
「…会わせないなら私を殺すとか言われたんじゃないの?」
「…お前、すげぇな。人類最強の鈍チンだと思ってたのにやるじゃん。」
「何それ!ひどーー!!恋人に対して辛辣過ぎない?!」
「ごめんごめん。それともう一個謝らねぇといけねぇことがある。先に謝る。ごめん!!そしてさっき怒ってお仕置きなんてして悪かった!すまん!」
酷い物言いをした割にはすぐに謝ってきた宇髄さんだが、負けるが勝ちと言わんばかりに正座して頭を下げた彼にこれから言われることに対して怒ることもできないのだと口を尖らせた。