第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
誰も私たちのやりとりに口を挟まないで欲しいと最初に言っておいたこともあり、少しも横槍を刺されないままの状態だが、心はとても穏やかだ。
此処にいる人たちのことを心から信じているし、こんなやりとりをしていても私のことを彼女のように感じる人はいないと断言できるからだ。
それだけ私は此処の場所が大好きだし、築いてきた人間関係は堅固な物だと自負している。
ただ今日の今日で出会ったばかりの女を認めろなんて無理な話だと思う。自分であってもそれは難しいと言えるから。だから瑠璃さんの肩を持つ気はないけど、彼女の気持ちもわからなくはないのだ。
だから一週間様子を見てくれと頼むのは彼女のためだけでなく、自分のためでもある。
すぐに納得できないのは私のことが認められないからだ。認められない女だからこうまでして私を拒むのだろう。
それならば、認めてもらえるような機会を設けてほしいと思うのは悪いことではないはず。
「どうですか?それで駄目なら私のことを追い出すなり実力行使をしてもらっても構いません。ただ自分からは出て行きません。此処は私の大切な場所なんです。」
「…余程の自信があるのね。いいわ。一週間後、あんたを此処から追い出してやる。あんたの取り巻きも一緒にね。」
「分かりました。ありがとうございます。」
やっと話の着地点がまとまったので宇髄さんを見ると物凄い形相でこちらを見ていたことに瑠璃さんよりも恐怖を感じた。
あああ…瑠璃さんよりも説得しなければいけない人がいた。
誰よりも私の身を案じてくれる彼がこの決定事項に納得するわけがなかった。下手したら玄関先で私のために瑠璃さんを殺そうとまでしそうだったのに。
ぶたれた頬はとっくに痛みはひいていて、大したことはないのだけど、彼からしたらそう言うわけにはいかないだろう。
正宗たちに目配せをして、宇髄さんの拘束を取ってもらうと物凄い勢いで立ち上がり、私の体を抱き上げて部屋を出た。
その顔に穏やかさは皆無。
今から私はこの人の説得を全身全霊でしないといけない。
私を愛してくれて、誰よりも心配してくれる優しい彼に納得のいく説明をしなければこの決定は受け入れられないだろう。