第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
「話し合いをしましょう!」と言うほの花に仕方なく、瑠璃も中に入れたが玄関先で閉め出しても良いと言うのに俺の女の懐の深さときたら腹が立つほどだ。
「私が言いたいことは一つよ。あんたが荷物を纏めて出て行けばそれでチャラにしてあげる。天元に取り入って私欲の限りを尽くそうって魂胆は丸見えよ。このスケコマシが。可愛い顔に傷をつけたくなかったらすぐに出て行きなさい。」
「…あー…あはは…。なるほど。」
ほの花がこんなに酷い目に遭わされていると言うのに俺はと言うと口を塞がれて黙って座らせられている。コイツの元護衛達によって。
「お、抑えてください。」「宇髄様、落ち着いてください!」と小さな声でひたすら窘めるコイツらは自分の元主人がこんな目に遭っているというのに平気なのか?
困ったように笑うほの花だが、酷いことを言われているのに傷ついた様子は見られない。勿論言われた内容が少しも合っていないというのもさる事ながら、むしろこの場を楽しんでいるかのように心臓の音は穏やかだ。
「…あの、お言葉を返すようですが、私の一存で此処から出て行くことは出来ないんですよ。ごめんなさい。」
「天元に取り入ってるからでしょ?大丈夫よ。私が後で説得しておくから気にせず出て行って頂戴。」
「いえ、それだけではなくて…。色々とそれ以外にも私が勝手に出て行けば彼が後ろ指を差されることとなりますので。どうか許してもらえませんか?」
はぁ?
な ぜ お ま え が 下 手 に 出 る ?!?!
この性格はもう直りやしないだろうが、瑠璃よりも下手に出て許しを乞うなんて腑が煮え繰り返りそうなほど腹が立って仕方がない。
元々、瑠璃の傍若無人な態度に腹が立っているというのに輪をかけて苛つかせてくる二人のやりとりに全集中で音の呼吸でも使ってやろうかと思うほどだった。
「そんなこと言ってそのまま此処にのさばろうとしてるんでしょ?図々しい泥棒猫ね、本当に。」
「そんなことありませんよ。ではこうしませんか?一週間いただけませんか?その間で私のことをどうぞ見極めて下さい。それで納得できなければ煮るなり焼くなりどうぞご自由に。私は逃げも隠れもしませんので。」
体が震えるほどの怒りに包まれながら好きな女を守ることもできない自分に嫌気が差しそうだった。