第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
ほの花の悪い癖が垣間見えたところで、苦言を呈せばすぐに納得したように謝ってくれるが、此処で釘を刺せてよかった。
俺の留守中にその悪い癖が出ちまったら、事が済んだ後に自分が帰ってくるなんて最悪な事態も考えられたからだ。
「ごめんね、もう二度と言わない。そうだよね…!それなら雛鶴さん達と関係を解消する理由はないもんね。私のために…ありがとう。」
「ったく…お前のその遠慮しいの性格どうにかなんねーのか?油断も隙もねぇな。俺はお前しか無理だって言ったろうが!娶ったところでもう勃たねぇんじゃこっちが不能呼ばわりされるぜ?!勘弁しろよ。お前しか好きじゃねぇし、お前しか抱けねぇんだから責任取れ!馬鹿ほの花。」
「ちょ、お、大きい声で卑猥なこと言わないでよ…!分かったから…!ごめんね?ごめんなさい。」
卑猥な言葉を言わせたのはどちらだ。
ほの花以外無理で、ほの花しか愛せないから関係を解消した。
それはケジメという意味でもあったけど、中途半端な気持ちで共にいるくらいならアイツらに別の幸せを見つけられる状態にしてやるのもまた優しさだ。
しかも、それを本人達が望んだのだから何も遠慮することはない。
瑠璃のことなんてもっと遠慮する必要はない。
俺の後始末が悪かったからだが、そもそもが婚約を解消していたのだから一般的には後ろ指差されるようなことはしていない。
ちゃんとケジメをつけてから里を出た。
しかし、もう少しだけ早期に解消して納得させてやってからのが良かったかもしれないといまでは思う。
ちゃんとアイツの次なる道に進むのを見送ってから里を出なかったからこんなことになった。
何度も会ったことのある女で、昔から決まっていた許嫁。
知らず知らずに自分自身もそれに頭が洗脳されていたのだろうか。
弟達を手にかけてしまったことで目が覚めてあの三人と里を出たが、もっと早く決断していれば良かった。
そうすればアイツがこんなところまで押しかける必要もなかった。
隣で何度も何度も謝るほの花の腕を掴むと引き寄せて問答無用で口づけをしてやる。
そうすることで不思議と怒りが収まってくるのはもう俺がほの花しか無理だという証明になるだろう。