第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
「もう一つ、鬼殺隊のことも地味に伏せてるから話合わせてくれねぇか?」
「え?そうなの?…で、でも…それは…いずれバレちゃうんじゃ…?」
「バレたらその時話すわ。できるだけ里に持ち帰る情報は少ない方がいい。お館様に迷惑をかけるといけないからな。お前が薬師ってこともとりあえずは伏せてる。」
宇髄さんと瑠璃さんにどういう風に話しているか、どのように振る舞えばいいかを一つ一つ丁寧に打ち合わせをしていく。
その顔はとても険しくて"不本意だ!!"と顔に書いてあるが、私は大好きな人との秘密の共有みたいで少しだけ嬉しいと思ってしまった。
だけど、確かに宇髄さんの言う通りかもしれない。
どんな人かは分からないけど、迂闊に鬼殺隊のことを言ったりしたら産屋敷様に迷惑がかかるかもしれない。
しかも里の人と言うことは…雛鶴さんたちと同じでくの一なのは間違いないし、秘密裏に動くことは得意なのだろう。
そうなってしまっては、宇髄さんがいない時に隠密に動かれては私では対処ができない可能性もあるし、柱としても重罪に当たるだろう。
産屋敷様のこともそうだけど、宇髄さんに今までお世話になってきたのだから彼の顔に泥を塗るようなことをするかもしれない人を野放しにできない。
何としてでもそんなことが起こらないように彼の留守中の秘密は守らなければならない。
「分かった。長期戦になることも想定しておくね。」
「やめろよ。俺は帰ったらすぐにでも出て行って欲しいっつーのに。」
「もちろん…、それが一番良いとは思うけど…。」
どうなるかはわからないが、宇髄さんを此処まで困らせて対処ができず、私を待つことになると言うことは一筋縄ではいかないことが分かる。
「そんなに天元のお嫁さんになりたかったんだね…。」
「おい、良からぬこと考えんじゃねーぞ。俺はお前だけだからな。」
「わかってるよ!わかってるけど…、一人に決めなくてもいいからね?私、二人になっても…。」
「それじゃ、アイツらと関係を解消した意味がねぇだろうが。しかも、瑠璃だぞ?こっちから断った相手を娶れるか!」
最後の方は少しだけ苛つきをぶつけてきた宇髄さんに失言をしてしまったとすぐに謝る。
それはそうだ。
そうするのであれば最初からそうしている。
ケジメとして関係を解消してくれたのに言うべきではなかった。