第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
「あー…それは…どこの女よ!ってなるよね。あはは…。」
乾いた笑いを浮かべるほの花はどちらかといえば瑠璃に同情をしているような表情だ。
「悪ぃ。俺が完全に身の振り方を間違えた。迷惑かけてごめんな。」
「ええ?!いや!違うよ!天元は悪くないって!これは仕方ないことだよ。考え方の違いってさ、どちらとも正論を言ったとしても一方通行なものだもん。瑠璃さんも瑠璃さんで言い分はあるだろうし…難しいよね。でも…私は嬉しいよ!」
ほの花に迷惑をかける事に申し訳なさしかないと言うのに突然「嬉しい」と言う彼女に思わず歩みを止めて見てしまう。
今の話の流れで何が嬉しかったのだろうか。
「…嬉しい?」
「え、う、うん。だって…天元は私を頼りにしてくれてる…っていうか、役に立てるんでしょう?それならすごく嬉しいよ。全然迷惑なんかじゃないよ!やっといつものお礼ができるかと思うとむしろ頼ってくれて有難いくらいだよ!」
「ほの花…。」
完全に身の振り方を間違えたと思っていたのに、それすらも受け止めて包み込むような優しさをくれるほの花を愛おしい以外の形容の仕方が見つからない。
迷惑かけられて嬉しい?
役に立てるから?
そんなことしなくても俺がほの花を愛する気持ちは変わらない。いつも彼女の存在だけで癒されて愛をもらっているというのに、役に立てることが嬉しいだなんて言われてこちらが嬉しくて顔がにやけてしまう。
だが、ほの花の気持ちも分かる。
俺だってほの花に頼られたり、甘えられたりするのは死ぬほど嬉しいのだから。
これを機に今後はもっと甘えてくれたりしたらもっともっと嬉しいのだが。
「俺は本当に良い女を婚約者にしたわ。もう今すぐ嫁にしたいくらい。」
「ふふふ。ありがとう、天元。いずれ…よろしくお願いします。」
「当たり前だろ?世界一美しい花嫁にするって約束しただろ。」
今し方、ほの花を嫁にしたからお前はもう帰れって言えたら楽かもしれないが、それでも瑠璃の気は収まらないだろう。
しかしながら、正直会わせたところで問題が解決するのかということが不透明すぎて不安しかない。
ほの花に促されて再び歩き出すが、家まで足取りはとても重かった。