第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
一ヶ月間離れていたが、やはりほの花はほの花だ。少しも変わっていない。
たった一ヶ月。
されど一ヶ月。
その間に少しくらい強欲な女になっていてもいいものを恐ろしいくらい無欲な女。
それに相反し、これから会わせようとする女は自分の欲をこれでもかとぶつけてくる気の強い奴で、あまりに正反対すぎて不安しかない。
思ったよりも笑顔で対応されたのは良いのか悪いのか…。
少しくらい嫉妬をぶつけてくれてもいいではないか?と若干の不満を持つほどあっけらかんと受け止めてくれたほの花。
怒ることもせず、淡々とした様子なのはいいが、今更ほの花に少しくらい瑠璃みたいになれと言っても無理な話だし、彼女の全てが愛おしいのだから変わる必要もない。
「心配すんなよ…って…全然心配なんてしてないよ。その人に会えばいいだけでしょ?」
「いや、でも…気の強ェ奴なんだわ。ほの花は俺から見ても気弱ではねぇけど、優しい奴だからよ。アイツに何言われても俺の女だってことを忘れんなよ。」
「えー?そんなことないけど…うん。分かったよー。」
ほの花に再三自信を持たせるようなことを言うのは、瑠璃のあの押しの強さで身を引いた方がいいのか?と思わないでほしいからだ。
どれだけ言われても"俺が"ほの花を手放すことが出来やしないのだから、そんな余計なことは考えないで欲しい。
「そろそろ行く?あまり長居しても悪いよね?」
ほの花のその言葉に頷くと手を握り、外へ出た。悶々とした気持ちは無くなったが、今度は不安な気持ちで頭がいっぱいだ。
早く何も考えずにほの花を抱いてしまいたい。
本当に何故今アイツは来たのだ。どうせならもう少し後で来て欲しかった。
再会を懐かしむ余裕もなく、再び戦地へと連れ出さねばならない俺は隣にいるほの花に申し訳がない。
「雛鶴さんたちは元気にしてる?早く会いたいなぁ。」
「ああ、元気だけど…そいつのせいで気が滅入っているみてぇだけどな。」
今朝の今朝まで苦言を呈されていたことを潔く思い出すと深いため息を吐いた。