第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
しのぶさんから気の済むまで話してから帰っていいとは言われたが、宇髄さんは特に話すこともなくただ私を抱きしめたまま数分が経過した。
このままではまた事に及ぼとするのではないかと内心ヒヤヒヤしている。
宇髄さんのことは大好きだし、そういうことをするのは嫌じゃない。私だって彼のこの温もりは大好きなのだから。
それでもこの状態のまま此処に居座るわけにもいかない。
私は意を決して話しかけてみる事にした。
「ね、ねぇ…天元?」
「んー?何だよ。いま、喋りかけんな。」
「ええ?!な、ひ、酷いよぉ〜!」
折角話しかけたのに邪険に扱われて不満よりも悲しさに襲われる。
何でそんな事言うの?
私は宇髄さんの声も聞きたいのに…。
すると、ため息を吐いて体を離すと不満げに私を見た。
「あのな、勃っちまったから今収めてんの。お前の声聞いたら益々勃起しちまうからよ。そんなんじゃ、いつまで経っても帰れねぇぜ?」
「あ、…そ、そういうこと…?えと…じゃあごめんね。」
「はぁ〜…此処が家なら良かったのになぁ…。そしたら今頃二回戦めくらいだろ?」
何回するつもりなのだろうか?と一瞬よぎったが、聞けば顔面蒼白になるのが関の山。
私は顔を引き攣らせながらも再び彼の腕の中に大人しく収まった。
それでも、先に帰った正宗たちが心配してるかもしれないなぁとぼんやり考えていると勢いよく宇髄さんが私を引き離した。
その顔は目を見開き、何やら真剣な表情。
「え、今度はどうしたの?」
「そういや正宗たちは先に家に帰ったとか言ってたよな…。」
「?うん。先に帰ってもらったよ?駄目だった?」
「いや、あー、まぁ、アイツらもいるし…。大丈夫だろ…。」
宇髄さんは首を傾げる私の前に正座をすると肩に手を置いた。
そのまま頬を撫でて悲しそうな顔をして微笑むと急に頭を下げ出した。
「ほの花、すまん。先に謝る。お前を面倒なことに巻き込む事になる。だが、俺が必ず守るから一緒に家に帰ってくれるか?」
「は、はい?え?ど、どういうことなの?」
断ることはない。
私の帰るべきところはあそこしかないし、宇髄さんがいるならそれで良かったから。
でも、家の主人である宇髄さんが喧嘩をしたわけでもないのにこんな風に謝ることなんて今までなかったことで、私は一抹の不安を抱いた。