第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
誰が"嫉妬柱"だ。
変なあだ名つけやがって…。
あながちどれも間違ってはいなかったが、胡蝶が出て行った襖を見つめ、足音が聞こえなくなったのを確認するとぐるりとほの花に向き合った。
折角二人きりだが、もう此処で押し倒すことはできないし、それならばまずはその可愛い顔を堪能したかったと言うのにこちらを全く見ないほの花に不満が溜まる。
「…何でこっち見ねぇの?」
「だ、だって…、なんか怒ってる、んでしょ?」
俺の纏う空気は悟っているようでビクビクしながらチラッとこちらを見た。
「俺はな、この一ヶ月間。お前と会うことを指折り数えて待ってたわけよ。自慰もしてねぇんだぞ?!派手に溜まってるわけ。」
「わ、私だって…天元に会いたかったよ…!」
ゆっくりと体をこちらに向けて見上げるほの花とやっと視線が絡み合う。髪型は変わっても髪には俺があげた花飾りがしっかりとついていて無意識に顔が緩んだ。
「やっと触れられると思ったのに先に他の男を触れたことに苛つくのは仕方ねぇだろ?でも、別に…ほの花に本気で怒ってるわけじゃねぇよ。竈門炭治郎ともただの"オトモダチ"っつーなら理解する。だから…もう押し倒したりしねぇから抱きしめていいか。派手にほの花不足なんだよ。」
可愛い表情で見上げてくるその顔に手を添えると口角を上げて笑って頷いてくれるので、勃起しないように全集中をして彼女の体をゆっくりと引き寄せた。
ほの花の頭に顔を寄せると、花のように優しい匂いが怒りも鎮めてくれると同時に力が抜けていくようにも感じた。
彼女の香りは精神安定剤のようだ。
腕の中に閉じ込めれば、ほの花の温もりを感じられて再び気分が高揚してしまう。
必死にそれを抑えると触れるだけの口づけを額に落として空を見上げて心を無にした。
「…あー……早く抱きてぇ…。」
「こ、此処じゃ駄目だよ?も、もー!大きくさせないでよぉ…!」
「そうだけどよ。もう俺はお前以外勃たねぇんだから少しは大目に見ろって…。」
"大きくせないで"なんていくら死ぬほど鍛錬を積んだ柱といえど、好きな女の前ではただの男だ。
無理難題を言ってくるほの花だが、そもそもお前じゃなければこんなことにならないと言う事に早く気づいて欲しいものだ。