第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
勢いよく引き摺り込まれたそこにいたのは宇髄さんで、無数に降ってきた口づけが幸せでたまらなかった。
此処に早く戻りたかったから。
何も言葉を発しないまま、数分間溶けてしまいそうなほどの口づけを浴びせられて、やっと離れた唇。
漸く見られた宇髄さんの顔は相変わらず格好良くてぽけーっと惚けてしまった。
そしてそのまま再び彼の腕の中に収まると頭の上から心地のいい声が降ってきて、脳に甘く響いた。
「…ほの花、会いたかった。」
「宇髄さん、わたしも…「ほの花、今は二人だ。」
久しぶりに会ったというのに彼はちっとも変わっていない。変わっていないことにホッとした。
彼のご指摘を受けて背中に手を回すと、もう一度言葉を紡いだ。
「天元、私も…会いたかった。やっと…やっと会えた。」
「あー、やべ。やっぱ勃った。はぁ…無理。お前可愛すぎんだろ。まずその髪型何だよ。くっそ可愛いし、頸が厭らしくて死ぬほどヤりてぇ。今すぐ。」
「ちょ、こ、此処、蝶屋敷、だから!!」
こういう時の宇髄さんに正論を話したところで効果はそれほど無い。それでも止めなければしのぶさんに叱られてしまう。
「あー。この部屋貸してくんねぇかな。無理無理。我慢なんてもう無理だって。」
「て、天元…。抑えて?ね?」
「何言ってんだよ?お前だって下がびしょ濡れじゃねぇかよ。分かってんだぞ?ぐちゅぐちゅ音が鳴ってんの。気付かねぇわけねぇだろ?この俺が。」
確かに下着は湿ってしまっているし、彼と続きがしたいのは山々だが、何如せん場所が悪すぎる。
それなのに宇髄さんは私のことを抱き上げると客間にあった座布団の上に私を横たえると再び口づけをしてきた。
いやいやいや、この体勢。この人本気で此処でする気だ…!
まだ真昼間の上にしのぶさんの屋敷なのに。
ちゅ、ちゅ、という音とともに首筋に口づけを落とされるとブルッと身震いをした。
「て、天元…!駄目だって…!」
「無理。一回だけ。な?いいだろ?胡蝶が帰ってくる前に…。」
「私が帰ってくる前に何ですか??」
「「え?」」
行為に夢中になり過ぎていたせいで宇髄さんすら気付いていなかったようだが、彼の肩越しに見えたのは般若のような顔をしたしのぶさん。
それを見た私は宇髄さんと顔を見合わせて苦笑いをした。